東京都北区赤羽 (8) 焼きとん米山の路地裏

居酒屋だらけの赤羽一番街から大きく北に外れた路地裏の一角に、なんとも「隠れ家的」な酒場がぽつんと残った場所がある。
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見た目には普通の住宅街でしかなくなる訳だが、この真ん前に老舗の焼きとん居酒屋がひっそりと店を構えている。赤羽ではよく知られた店だが、傍から見ると本当に商売しているように見えない。


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それが焼きとん「米山」の店舗なわけだが、店の看板のボロさといい店構えの年季の入りようといい、とても素人向きではない所が非常にそそられる。
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同じく下町の飲んだくれ天国である葛飾区の立石の横綱が「宇ち多」であれば、ここ赤羽の横綱は「米山」というくらいの店だ。つい対比してしまいがちになるが、かなり小さな店で、客に媚びない頑固な大将が店を切り盛りしている。観光気分でふらふら一見さんが入るとマジで怒られたりするらしいので注意が必要。
何度も「米山」への入店を試みているが、行ったら店がまだ開いていなかったり、赤羽馬鹿祭りで法被姿の地元民で貸切状態だったりなかなか行ける機会がない。
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そんな「米山」の店がある路地裏は、ちょっとした居酒屋横丁になっていた。駅前にあれだけ大量の飲み屋があるのに、まだこんな所に店が隠れているのである。赤羽に住んだら間違いなくアル中になってしまいそうだ。
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「米山」のある路地裏に並ぶ居酒屋も、同じように「隠れ家的」な風情を留めている。地元民以外はなかなか来る機会もないだろう。
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店先には赤羽警察署と赤羽料理飲食業組合の連名でこんな札が掛かっている。アル中は一杯いそうだが赤羽にはシャブ中も多いのか?
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路地裏は猫の天国。首輪が付いているのでどこかの家の子なんだろう。人間慣れしているのか妙に人懐っこい。
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路地裏を離れて、南北線赤羽岩淵駅方面に続く道を歩く。だんだんと街が寂れ気味に変わってゆく。建物まるごと蔦で覆い尽くされた廃店舗。何の店だったのか全然分からない。
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蔦の繁殖力も大したものだが、蔦の葉で建物全体が緑色に染まるまで一体何年間放置されれば良いのだろう。考え方を変えれば、地球にやさしい緑化住宅でもある。
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そんな緑化住宅の向かいにある美容室もモダンな外観が特徴的だ。黒い豆タイルが張り巡らされ、玄関横にはアールが描かれている。戦後の赤線建築に近いセンスを感じる。
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この付近も古い住宅街がそのまま残っているせいか、極小住宅に車も通れない路地が密集した場所が目立つ。関西で言う所の文化住宅的な間取りの長屋が連なる中の一軒は傘や釣具が飾られていて威圧感がある。単に釣具屋だったわけだが。
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戦後のドサクサみたいなバラック建てが残る路地を進む。赤羽三丁目まで入るともう荒川が近くなる。すぐ対岸は埼玉県。既に雰囲気が東京らしくない。

東京都北区
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