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【首都圏最後のフロンティア】「八潮市」がNIMBYでヤクザな街からニュータウンへ脱皮する時

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東京都心からたったの15キロ、足立区に隣接し、2005年に開通したつくばエクスプレス線で秋葉原から最短17分で来ることができる「埼玉県八潮市」…21世紀に入り初めて鉄道が開通したこの街は、これまで工場や産業廃棄物処理業者が乱立する工業地帯として発展してきた反面、住宅地として発展することもなく、足立区に隣接するお土地柄だけあって暴力団構成員やDQNなどガラの悪い人種が大量に流入し、治安の悪さでも頭角を現していた街でもあった。

前回この街を訪れたのは2010年、それから6年以上が経過して少しは駅前の風景も変わったのだろうかと気になって再度八潮の地に降り立ったんですが、以前より心なしか駅の利用者も増えた気がする。

つくばエクスプレス線開業直後の2005年には約7万5千人だった八潮市の人口も今では約8万7千人(2017年4月時点)に増えている。駅前ロータリーから見える周囲の街並みもマンションや商業施設が以前よりも明らかに多くなっている。まあ当然っちゃ当然なんですが、やはり沿線住民の人気は千葉県内に集まり、快速が通過する埼玉県区間は超絶不人気なのだ。

八潮駅開業の翌年2006年にオープンした駅前商業施設「フレスポ八潮」も健在である。これまで工場地帯と農村しか無かった八潮に初めて誕生した大型商業施設であり、近隣から車でやってくる現地民と、これまで他の街でたまるしかなかった中高生や不良DQNの姿で活気に満ちている。

ここの駐輪場で2010年11月に近くのオウム真理教(現・アレフ)八潮大瀬施設に暮らす出家信者だった元妻を刺殺した男が逮捕された事件があったことはよく覚えていますよ、ええ。

八潮駅南口には何も無かったが今では商業施設が次々と誕生している

以前は原っぱしか無かったはずの駅南口ロータリー付近も続々と商業施設が出来ている。駅を出た真正面にある「BiVi八潮」は2013年11月オープン。まだ真新しい印象を受ける。郵便局やサイゼリヤやら学習塾、クリニックなどがちょこちょこ入居しているこじんまりしたモールである。出来て間もないせいか空きテナント多めですね。

そんなモールよりも圧倒的に大規模なのがパチンコ・パチスロ総台数1000台と大型立体駐車場を有する巨大パチンコ店「メガガーデン八潮」である。平日昼間なのに店の前の駐輪場にはチャリンコが大量に置かれていて、さぞかし川向こうの足立区六木の都営団地あたりに住んでいるナマポ老人の溜まり場になっていそうだ。なにせこの店、「0.2円パチンコ」という超激安貸玉コーナーまである究極の貧乏人のレジャースポットでもある。やはりどれだけ綺麗な街を作ろうとしても隣の足立区同様元がダメならそういう店しか建たないよね。

2010年の時点では出来たばかりの道路以外は空き地しか無かった南口にも埼玉県民御用達のスーパー「ヤオコー」まで出来て住民の生活利便性が以前よりも明らかに向上している様子が見て取れる。

駅前の区画整理事業が進んだこともあり、八潮駅周辺地域では2015年1月から大字大瀬、伊勢野、古新田の一部を対象に住居表示を開始。「大瀬一丁目~六丁目、茜町一丁目」と命名されている。ようやく「街」らしい体裁が整ったようで何より。地元名産の小松菜をモチーフにした八潮市のマスコットキャラクター「ハッピーこまちゃん」もよろしくね。

しかしヤオコーのすぐ裏手の道に入るとそこには昔ながらの工場と倉庫と高い鉄のフェンスに囲まれたヤードが乱立する八潮らしいNIMBYでヤクザな街並みが現れる。そう、まだこの街は発展途上にあることを忘れてはならない。

空き地の草むらに目をやると相変わらず多い不法投棄されたゴミの数々。八潮には滅法多いリサイクル工場や産業廃棄物処理業者が都会のゴミを寄せ集める一方でこうした不法投棄を行なう不逞の輩も寄せ集めている。このまま順調に街が開発されていけば、いずれ無くなる運命かも知れないが…

そんな一角にあるシュークリーム等洋菓子製造の大手「モンテール」の八潮営業所の建物。スイーツ成分が乏しいドカチンとヤクザの街・八潮では貴重なスイーツ部門である。建物内にある直売店「スイーツファクトリー八潮店」で同社の商品も購入できる。

マンションや戸建て住宅もだいぶ増えてきてます

2010年の訪問時に比べると駅周辺はマンションや戸建て住宅がかなり増えていることに気付く。駅前の新築賃貸1LDK物件でも家賃は8万円台といったところが相場のようだが、つくばエクスプレスの駅が出来る以前、本来の八潮の相場はそれよりも段違いに安い。

八潮駅周辺には大手財閥系デベロッパーも多数加入し、大型分譲マンションの建設も順次進められている。これ見よがしなモデルルームの広告看板の数々もまた今の八潮を象徴する風景の一つになっている。しかし都内の高級住宅街なら歯の浮いたような謳い文句もお似合いだが、元から産廃処理場だらけの工業地帯である八潮でも同じ宣伝が果たして通じるのか甚だ疑問である。

八潮駅前の賃貸マンションは随分ボッタクリ相場だと思っていたんですが、分譲ともなるとその破格ぶりが際立っている。3LDKで2980万円!住宅ローンは月々6万円台!!秋葉原から17分でこのお値段で大手財閥系デベロッパーの新築分譲マンションが買える街など八潮以外ではあり得ない。そりゃ、いくら駅近でも産廃銀座とヤクザがウヨウヨいる街の土地を買って「一生住む」ことを前提にしたら、そのくらいの相場にしないと客も来ないのだろうけど。

もっとも、駅近物件にこだわらなければ130㎡の土地付き新築戸建て住宅が2680万円で販売されている(怪しげな電柱の野良広告ですが)のが八潮市という土地なのですがガチな工業地帯が広がる浮塚地区なので環境の悪さには目を瞑らなければ住めません。

「埼玉県八潮新都市建設事務所」が手掛ける宅地開発ゾーン

八潮駅周辺の開発が相当進んでいる様子が見られたわけだが、今度は八潮駅の西、葛西用水を跨いだ西側一帯の土地で絶賛宅地開発中。重機の音がガタガタ鳴り響きダンプカーが忙しなく出入りする、八潮市立大曽根小学校西側の土地を歩く。砂埃で目がやられそうになるんですが…

八潮市大字垳、大原に跨るこの一帯の土地は埼玉県の出先機関である「八潮新都市建設事務所」が土地区画整理事業を行っており、それに併せて宅地販売も行っている。既に沢山の戸建て住宅が連なっている光景が見られる。まさしくこれが「首都圏最後のフロンティア」八潮新都市の姿か。

そんな土地の一角に建てつけられた住友林業の建築条件付宅地分譲の看板。208㎡の区画が4つある内の2つが売約済になっている。坪換算すれば約63坪なので坪単価は約44.5万ということになる。八潮なら駅近物件でこの激安相場ですよ?

この土地区画整理事業では約10400人の計画人口を見込んでおり、これまで鉄道不毛地帯かつNIMBYな土地柄ゆえに首都圏の発展から取り残されてきた八潮市の有力な「伸び代」として期待されている。まず目指すべきは八潮市の「人口10万人突破」であろう。人口が10万人を超えるかどうかというラインは、この街の発展の可能性の可否を示す重要なポイントとなる。

人口10万人達成で念願の「八潮警察署」設置実現か?!

これまで暴力団構成員や不良グループによる暴行、殺人などの凶悪犯罪多発の上にオウム真理教の残党が住む貸倉庫まである八潮市にはその治安の悪さの反面、未だに市内に警察署はなく隣の草加市にある草加警察署が管轄区域としている。警察署が遠い土地は犯罪率が上がり地価が下がるということくらい、シムシティをプレイする小学生ですら知っている常識である。

そんな八潮市も「人口10万人」になれば警察署を新設する基準を満たすことができる。まさに人口増加こそがこれまでNIMBYで治安最悪な街と悪評三昧だったこの街の負のイメージから脱皮する唯一の突破口であり、八潮市民の悲願なのである。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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