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【八王子市】東京最西端のマンモス都営団地に寄り添う激寂れマーケット「長房新栄商店街」

東京都心からも遠く離れた八王子市長房町に総勢3,000世帯を越えるマンモス都営団地「長房団地」があるという事でやってきた訳だが、東西一キロ近くも連なる広大な団地のちょうど中央あたりに、まさしく団地住民向けにこしらえられた商店街もある。


それが「長房新栄商店街」という名前の商店街である。先の記事でお伝えした通り、この商店街の周囲にある長房団地は昭和39(1964)年に開催された東京五輪を前に、都心に住む貧困層を集団移住させたといわれる団地だが、その住民向けの商店街という事でのっけから作りが下町臭い。

東京最西端のマンモス団地に寄り添う商店街、昭和40年代の風景がそのまんま

航空写真で見ても分かる通り、団地成立当時の昭和40年代から存在していた商店街である。「スーパーアルプス長房店」を核テナントとして、今も多くの個人経営の食料品店や外食店舗がこの一画に密集する。

食料品とタバコを売る店、魚屋、茶屋、蕎麦屋、韓国食品店、理容店といった店の数々が狭い路地にここぞとばかりに集まっている。東京の西の果ての八王子の外れにも、まるで江東区や墨田区、はたまた足立区で見かけるような東京の東側の下町に通ずるような風情のある商店街があったとはと感心せずにはいられない。

しかし一方ではこのおもちゃ屋「キング」のように、とっくに商売をやめてシャッターを下ろしたままの店も多い。地元民のネット掲示板の書き込みを見たところどうやら5年くらい前に閉店したようですが…若い住民がいなくなり、こうした店は早々に役目を終えたようだ。

餃子・シューマイ・チキンの店「三ちゃん」と看板が残るこちらの店舗も既に廃墟同然の状態と化している。昭和の時代にはこの商店街の路地にあちこちの惣菜屋から食い物の香りがプンコラと漂っていたはずだ。

さながら三河島の商店街にあるかのような佇まいの韓国食品店「チェヂュ」も非常に味わい深い。すっかり日に焼けて色褪せてしまった韓流アイドルのポスターも哀愁を誘う。都営住宅の住民には恐らく韓国人も多いのだろう。

半世紀の年月を刻み、それでも店舗の外装部分を一切リフォームせずに商売を続けている店も多いが、この理容店もそんな感じがする。子供も大人もカットのみは千円だそうで、大手のQBハウスとやらが入り込む余地はどこにもない。

商店街の南側に面した一角にもとっくに店を畳んだ弁当屋が…八王子駅からも遠く離れた陸の孤島たる長房町の団地住民にとっては生命線であったはずの場所。どうもこの数年で急速に廃れているようである。

長房団地住民の貴重な食料供給源となっている「スーパーアルプス長房店」。八王子周辺にしかないローカルスーパーの店舗の一つである。ここの二階がやけにがらーんとしていて気になったのだが、以前はこの二階に「長房湯」という銭湯があったらしい。

スーパーアルプスの真横に、まだ現役でバリバリ営業している惣菜屋があった。その名も「おふくろ」。海鮮丼540円、マグロ串カツ108円と大々的に安さをアピール。

あらゆる惣菜の数々が基本1パック100円均一で売られているというデフレ全開っぷり。やはり深刻な高齢化で年金か生活保護費で細々と暮らしている都営住宅の住民が相手だとここまでしないと商売にならんようだ。

昼酒とカラオケを楽しむ老人の歌声が聞こえるスナックがそこかしこに

潰れた店ばっかりで寂寥感が半端ない長房新栄商店街の中でもなぜか飲食店部門は元気がいっぱいのようで、こんな平日の真っ昼間にも関わらず商店街のあちこちにあるスナックの店先から昼酒とカラオケを楽しむ老人の歌声が聞こえてくる。

商店街中央部分に道幅が広めになった通りがあるが、ここに面した店舗は比較的スナックや飲食店が多めである。長房団地住民の胃袋を支えてきたメインストリートと呼ぶべき空間か。

しかもどの店も皆一様に公明党のポスターしか掲げていないのは団地の街のお約束事であるわけだが、やはり天下の創価大学がある三色旗学園都市・八王子においては団地暮らしをしている中で聖教新聞を避けて通れない宿命なのだ。

陸の孤島たる長房町では尚更そうなるのだろうが、高齢化した住民が余生をひっそりと過ごすための居場所がまだまだ豊富にあるというだけでもマシなのかも知れない。人のいない地方の限界集落ではこうはいかない。

上も下もスナックばっかり。まるで足立区並みの下町的光景である。夜になるともっと賑やかになるんでしょうかね。分かりませんけども。

その建物の隣にごちゃごちゃした店構えの「三陸ラーメン」。団地ができた時から続く老舗のラーメン屋らしいがここでも地元ローカルの刻みタマネギが乗った八王子ラーメンが食える。この商店街にはもう一軒「金華楼」という中華料理屋があったが、そっちは閉店してしまったらしい。

銭湯は既に廃業して姿を消したようだが、コインランドリーは商店街の脇のところにちょこんと残っている。随分バラックめいた作りで、ここにも公明党ポスターがベタっと貼り付いている。

長房新栄商店街の南側に面する都営住宅長房南団地52号棟の一階部分も商店スペースが並んでいるのだが、こっち側の店舗は既に全滅してしまっている。ここも建て替えが近づいているから店が立ち退いたのかと思われるが、昔のストリートビューを見ると商店街もこの一角も結構色んな店があったのに、それと今を比べると随分寂れた感じがする。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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