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昭和33年築のコンクリート建築がプチ九龍城砦状態な練馬の「庚申市場」を見納めに行った

東京から昭和の風情を残した市場が次々と姿を消していく昨今、練馬区江古田の江古田市場が年内に閉鎖するという話も聞いたが、同じ練馬区でももう一ヶ所、今年の9月末で歴史に幕を閉じた市場が存在していた。西武池袋線練馬駅の南口から少し歩いた所にある「庚申市場」だ。ここも我々は見納めに行っていたのだが、閉鎖前にレポートが出来なかったのが悔やまれる。

練馬区 練馬

練馬駅と言えば西武池袋線と地下鉄大江戸線が二線使えて便利な街なのでまあまあ駅前は発展している訳だが、千川通り、目白通りを跨いでさらに南側に伸びる「豊玉庚申通り」まで向かうと、人通りはまばら、車の方が多くなる。

練馬区 練馬

場末感もきついですが、ここいらは環七方面から流れてくる車の通行が多いので排ガス臭もきついです。練馬駅前から片道7~8分、500メートルくらい歩いた所で庚申通りを外れた住宅街の路地に入っていく。すると…

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なんとも良い感じの昭和な商店街っぽい風景がいきなり現れるのである。駅から結構離れた場所にこのような空間があると無駄に興奮してしまうのだが、まあなんとも寂れた佇まいだ。

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そんな商店街っぽい一画にそびえる、かなり経年劣化しまくった印象のある黒ずんだコンクリート剥き出しの住宅兼市場ビル…これが2014年9月30日をもって閉鎖と相成った、練馬が誇る昭和レトロ市場「庚申市場」の建物だ。

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我々はなんとか閉鎖数日前に見納めに来る事が出来たのだが、建物を観察すると、庚申市場の本体がある一階の通路とは別に、上層階の住宅へ続く別の入口が建物脇から伸びているのが見える。入口に隣接する青果店もとっくに店じまいしてしまってますが…

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八百屋の脇をかすめて行かないと自分のアパートに帰れないという昭和剥き出しな生活空間も、既に住民が立ち退いた後だったらしく、様々なガラクタや自転車なんぞが入口に積まれていて、物理的に中に入れなくなっていた。

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改めて、庚申市場の入口を見る。昭和33(1958)年築というので、築56年が経過している事になる。それでコンクリート建築の市場兼住宅というのは、この当時では画期的かつ近代的だったんでしょうなあ。

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庚申市場の中に足を踏み入れる。そこはまさに昭和な市場の空間でしかなく、殆どの店が既に廃業済み、完全なるオワコン状態で残念でした。

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「ヤマザキパン和洋菓子」の看板を掲げるこちらのお菓子屋さんもだいぶ前に廃業したらしく、売り物の空箱や陳列棚だけがそのまま残され、建物と心中する覚悟で打ち捨てられていた。

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「ヤマザキの中華まん」広告もまた哀愁を誘う。女優の名前は失念したが、髪型が80年代丸出しな「聖子ちゃんカット」です。

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生鮮食料品店では庚申市場で唯一営業していた「宍戸精肉店」も、最後の駆け込み客の応対でさぞかし忙しそうにしていた。他には魚屋とか八百屋とかもあったみたいだけど、とっくに廃業してしまっていた。

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ここは持ち帰り揚げ物コーナーが人気でコロッケやらメンツカツやらが食べログでやたら口コミ投稿されまくっていて、他所からわざわざ買いに来る程のものだったらしい。この肉屋さんも庚申市場と共に56年間の歴史に幕を閉じた。

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宍戸精肉店の持ち帰り揚げ物コーナーも閉店間近なせいで常連客がしっかり駆け込み注文していたので、部外者の我々はコロッケ一つ買うのもままなりませんでした。こうなる前に買いに来いよって話ですがね。

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そんな肉屋の隣にももう一軒、最後の売り尽くしセールを開催中の花屋の残骸と思しき店があったんですが、ロウソクとか線香とかのし袋が捨て値で販売されてましたよ…

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余り物の日用品各種50円から200円の激安価格で売られているのだが今となっては絶滅危惧種な「ハエ取り紙」まで売ってあった。

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今どきのお子様は見向きもしなさそうな駄菓子屋とかで売られている昔ながらの子供のおもちゃの数々も捨て値で半額売り尽くし中。

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庚申市場の裏手の出口から外に出て改めて建物を見返すとこんな感じである。やたらベタベタ貼りまくられた共産党と公明党のポスターも味わい深い。ちょっとしたプチ九龍城砦的な佇まいさえ見せるこの市場も、今や幻のものとなった。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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