行徳駅南口のフラワー通り商店街を過ぎると、行徳の地元民が集まる「駅前公園」が現れる。基本的に行徳もファミリー向け住宅が多い街なので、休みともなると周辺の親子連れが結構集まって賑やかな空気に包まれる。
しかしこの行徳駅前公園、少し変わっているのが公園の外周部分をミニSLのレールが環状に連なっている事だ。踏切警報機まで置かれていて無駄に本格的。微妙に鉄ゾーンが展開されているのだ。
公園内のミニSL線路。もちろん普段からミニSLが走っている訳ではないが、毎月第二日曜日(雨天除く)の昼間に地元のNPO法人「市川蒸気鉄道クラブ」のメンバーがミニチュアながらモノホンな蒸気機関車がこのレールの上を走らせるのである。
ミニSLのレールは単なる直線だけに留まらず実用的な線路と同じように互いのレールを交差させていたり分岐していたりと凄く本格的。
月一回でしかも10時から昼休憩を抜いた3時までという限られた時間しか見る事ができないレアなイベントなので、地元民でなければ生で見られる機会は少ない。
普段の閉鎖時に見られる門扉の作り込み具合もなかなかのものである。機関車が彫り込まれている。
ちなみに市川蒸気鉄道クラブは行徳駅前公園の他、練馬区高松の幼稚園の敷地内でもミニSLを走らせているという。完全に個人の趣味で成り立っているという活動。乗り鉄でも撮り鉄でもなく、作り鉄っていうんでしょうか。いずれにしても熱そうです。
そんな鉄分豊富な駅前公園の真ん前に凄まじく古ぼけた市場が残っている。
平屋建ての店が並ぶ「パーク商店街」と書かれたすこぶる戦後のドサクサ臭が漂う一角。しかも商店街の名前が手書きでペイントされている字の微妙な下手さが生々しい。
東西線開通前までは田んぼしかなかったという行徳駅南口でも数少ないオンボロ物件だけあって、その存在感は強烈である。小さな商店街だが、一応一通り飲食店や生鮮食品店が並んでいたようだ。現在はただのシャッター通りみたいだが。
もう完全に廃墟と化しそうな商店街で唯一営業している「おでん金太楼」の姿がシュールである。
そして何故か商店街の端っこには民商の事務所がぽつんと佇んでいた。共産党系ですね。
この怪しげな商店街や公園を抜けた先に現れるマンションが、英国人女性死体遺棄事件の舞台となった某マンションである。7階建てのどこにでもある何の変哲もない分譲マンションであるが、犯人の市橋容疑者が住んでいた4階の406号室は祖父母名義のものを譲り受けたものであると報道されている。
マンションの裏手に回ってみる。築30年が過ぎているものの、見た目には綺麗でごく普通の一般家庭が暮らすような平凡な物件に過ぎない。
犯人は幼少期に両親とここで暮らしていた事もあると言うが、3LDKのだだっ広い部屋を一人で使い続けていた訳である。大学卒業から一度も就職せず、一人っきりで。
現在その部屋は空き部屋のままになっている。あのベランダに置かれた浴槽の中で、行きずりで連れてこられた見知らぬ英国人女性が土に埋められて遺棄されていたのだ。
思い返せば、アホで世間知らずな変態男の一方的な痴情によって女性が犠牲になる出来事はどこの国でも珍しくはない。だがこの事件では被害者が外国人だった事、警察が犯人をみすみす取り逃がしたという事が要因でマスメディアによる過熱報道の格好の標的となった。
品性下劣なマスコミによる「メディアスクラム」の典型例を見せつけられた、2009年を代表する出来事だった。
しかしこのマンション、犯人の住んでいた部屋と同じ階の一室が絶賛販売中だったんですが(笑)都心通勤30分圏内なのに3LDKで1580万円。事件云々気にしなければお買い得な物件には違いない。
マスコミのDQN化 – メディアスクラムの一例
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