池袋のお隣・帝銀事件でおなじみ「椎名町」 (3)

今回は「帝銀事件」の現場見たさに西武池袋線椎名町駅の北口周辺をふらふら歩きまわった訳だが、60年以上も前の事件の痕跡よりもむしろ駅前の雑多で下町臭い風景が気になってじっくり見て回った。

駅前のすずらん通りアーケードを抜けた先を南北に走る商店街は「椎名町サンロード」。虹色の看板もどこか時代が昭和にズレたままのセンスを放っていて素敵。



駅前どこを見回しても商店街になっているが、あえてメインストリートを挙げるとするならこのサンロードだろうか。若干道幅も広いし買い物客もそこそこ多いし。しかし街並みの古臭さは全く変わらない。

この商店街も意外にあんまりチェーン店が見当たらないなと思ったが、あるとしてもマツキヨくらいか。隣はアッチの人がやってそうな中華料理屋。

角の八百屋も根っからの土着臭が漂っている。自転車に乗って買い物中のおばちゃん軍団がひっきりなしに行き来する。日中はかなり賑やかな場所である。

すずらん通りの一本北側を並行する商店街の路地にも居酒屋や惣菜屋が連なる。そのまま進めばさっきの蔦まみれの歯科医院の廃墟と長崎神社だ。

椎名町と言えば帝銀事件の話ばかり思い浮かぶが、かつて手塚治虫や藤子不二雄、赤塚不二夫など高名な漫画家の下宿「トキワ荘」があった事も有名。漫画家として売れるまでの間、貧乏ながら同じ夢を見る人間同士の集う場となった。ちなみにトキワ荘跡地の場所は駅からだいぶ離れた南長崎三丁目になる。

未だに池袋が巨大ターミナルとして存在する中で徒歩圏内にありながら適度な貧乏臭さを残す椎名町界隈には下積み時代を暮らすには程良い環境が残っているとも言えよう。

貧乏中華チェーン店の福しんだってあるし、遊びは隣の池袋で事足りるし単身生活には何ら困る事がない。

サンロード商店街から西側に枝分かれしている「サミット通り」もまた多くの買い物客で賑わっている。なんでサミット通りかというとスーパーのサミットがあるからという実に安直な理由。

サミット通りは西武池袋線の線路北側に並行している。そのまま進むと隣駅のある東長崎方面に抜ける事が出来る。

そんなサミット通りの途中にあるタバコ屋の廃墟。いつから潰れて放置プレイかまされてるのか知らんが物凄い状態だ。看板が変色しきってるわ、テント屋根はボロボロに破けているわ…ここも例外なく買い物客の駐輪場にされてました。

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