巣鴨地蔵通商店街を抜けると庚申塚交差点があり、その先には都電荒川線の庚申塚駅もある。下町巡りのコア路線である都電荒川線はこんな所も通っているのだ。
庚申塚の地名の由来でもある、猿田彦大神を祀る庚申堂が庚申塚交差点の脇道にひょっこり隠れるように存在する。
猿田彦という神は日本の色んな祭の場面においても、神輿の行列などでは必ず先頭に立って歩いている、天狗の面をした神様。
巣鴨庚申塚に祀られる猿田彦も、かつて中山道に沿ったこの地に茶店があった頃から「先導の神、旅人の神」としてこの地で旅人の信仰を受けていたのだろう。
で、庚申堂の両脇には赤いちゃんちゃんこに身を包んだ可愛らしいお猿さんの石像が置かれている。
さらにその下の3匹の小猿は「見ざる、言わざる、聞かざる」のジェスチャー。日光東照宮が有名であるが、「三猿」と呼ばれる彫り物がなされている。
この三猿、てっきり日本のものだけかと思ったら世界中に広がっているそうで、はっきりした起源が分からないそうだ。調べればこれまた奥が深い。(→世界の三猿)
子供に対する教訓の意味があるそうで、子供の頃に人の悪事を「見ない、言わない、聞かない」と言う意味だとか。純粋な子に育ってくれという親心か。情報過多な今の時代には絶滅危惧種だな。
てっきり「人に関わらずに引き篭もってた方が安全だぜ」という意味だと思ってました(笑)
引き篭もってばかりでこのところ人間不信なので「人生アドバイザー・巣鴨の母」にこれからの人生を占ってもらおうかと思ったが止めた(笑)
だが「戦後」を知る世代にとって「巣鴨の母」と言えば、東京軍事裁判で有名な「巣鴨プリズン」を題材にした戦争映画である。(→詳細)
巣鴨プリズンというだけあって、てっきりこの辺にあったものだと思っていたら全く違っていて、実は池袋のサンシャイン60の場所に存在していたのだ。
都電庚申塚駅から少し先に「新庚申塚」という駅もある。ここからは都電三田線の西巣鴨駅にも近い。
実はこの近くに「四谷怪談」で知られるお岩さんの墓があるという。
四谷怪談と言えば以前に怪談にゆかりのある田宮神社などをレポートしたことがある。西巣鴨にある妙行寺という寺の墓地に今もひっそり「お岩さん」が眠っているのだ。
で、妙行寺へ続く通りにはそのまんま「お岩通り」という名前がつけられていて笑ってしまったのだが。英語だと「オイワ・アベニュー」ですね。
巣鴨の地蔵通とは打って変わって閑散とした住宅街が続く「お岩通り」。
挙句には商店街の名前までも「お岩通り」になっている。
まるで打ちひしがれたかのようになった寂しい商店街の一角に物凄く年季の入った「乾海苔問屋」の店舗。この先は巣鴨ではなく北区西ヶ原になる。
この海苔問屋の少し手前から都電の踏切を跨いだ先が、お岩さんの墓がある「妙行寺」になる。