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板橋の軍艦島か?外界から隔絶された昭和の巨大団地!「都営西台アパート」を見る

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高齢化した住民の多くは日常生活の上でも団地の外まで出るだけでも楽ではないことは先程の動線の脆弱さを見ても容易に想像できる。手押し車を推して歩く高齢者住民の姿が非常に多いのだ。その一方で空き家になった部屋には外国人住民が入居する、という構図がある。

有名な高島平団地同様、こちら都営西台アパートがある板橋区高島平九丁目も高齢化率が相当高くなっていることは想像に難くない。住所の上では同じ「高島平」だということに遅まきながら気づいた。駅が開通した当初は「志村西台町」だったが住居表示実施で高島平九丁目になったのだ。

相当な住民が暮らしているはずなのに、団地内を見る限り道行く人の姿はまばらなのは、玄関から外にすら出られない高齢者も多いということを示しているのだろう。訪問介護サービスの小型バスが団地の駐車スペースに停まっていた。

団地が生まれて半世紀経って、当時の働き盛り世代が年金・生活保護で細々と暮らす高齢者となっているのが現状。いま豊洲とか勝どきとか芝浦あたりのタワーマンションでいい気になっている勘違い住民も同じ年数が経ったら同じような結末を迎えるのではないか。

隔絶された団地の中にあった小学校

都営三田線車庫の上に人工地盤を載せた広大な空間の上にそびえる「都営西台アパート」のうち、8号棟の西側の一画は現在は住民向けのだだっ広い駐車場になっているのだが、ここにかつて「板橋区立高島第四小学校」の校舎があった。言うまでもなく西台アパート住民向けの小学校だったが生徒数減少で2002年で廃校になり、校舎が解体されている。

そんな元小学校敷地だった駐車場から都営西台アパート8号棟の全景を眺めることができる。圧巻の一言。まるで軍艦島がそっくりそのまま板橋区にやってきたかのような錯覚を覚える。

ちなみに第四小は同じ時期に閉校した旧第六小と統合する形で新しい第六小学校が誕生し、いま団地に暮らす住民の子供はそこに通っている。

ところでこの駐車場、何やらこんもりとブルーシートが被せられた怪しげな一画がある。何者かが私物を置いているのだが、そのサイズといい、もしかして中で人が暮らしているのではないのか。

その傍らには大量の水入りペットボトルが置かれている始末。これは…ホームレスの寝床か?

都営西台アパート8号棟の内部を見る

この都営西台アパートの最も奥に位置する「8号棟」に今回お邪魔させて頂いた。8号棟のエレベーターホール入口脇にある昭和臭全開な公共マナーを訴える看板もこの通り味わい深い。

エレベーターホールには小さめのエレベーターが5基設置されている。さすがに一棟で400世帯近い収容量がある巨大団地のそれだけのことはある。しかし利用者の姿はまばらだ。

入口付近に物凄い数の集合ポストも置かれているが巨大団地ではよく見る光景の一つである。ガムテープで塞がれたポストがやたら多く居住者が年寄りでみんな死んでしまったなどと書かれている他サイトのレポートを見たが、当方が見た時はそんなことは無かった。また新たに居住者が加わったんでしょうか、もしかすると(ここ数年あまり街角で見かけなくなった)ホームレス対策で都営住宅を斡旋した結果かも知れませんが。

この手の団地ではよく見かける「ピンクチラシはお断り」のステッカー。低所得者層が中心の団地住民も業者に足元を見られているわけで090金融だとか宗教勧誘だとか裏DVD販売だとかこういう地域の郵便ポストにはろくなチラシが入らない。ところで、都営西台アパートはあんまり外国人住民がいないようですね。

エレベーターに乗って上層階へ。まさにツインコリダー型団地のそれとしか言いようのない開口部。かつてはこの空間には団地育ちの子供の声がキャッキャと響き渡っていたはずの場所である。しかし今では静寂しかない。たまにお婆さんの声が聞こえるくらいか。

最上階である14階からは広々と遠方まで見渡せる素晴らしいビューポイントまであるというおまけ付き。都会のパノラマビューは別に億単位の銭叩いてタワマン暮らしをしている住民だけの特権じゃないんですよ。月々数万の家賃しか払っていない都営住宅の住民も楽しんでいるはずだ。さすが板橋区、あまり高い建物がないおかげで新宿の高層ビル群もよく見える。

反対側には足元の東京都交通局志村車両検修場、その先の荒川や埼玉県側の風景も見渡せる。夏場に恒例の「いたばし花火大会」で荒川河川敷から打ち上げられる花火もよく眺められること請け合い。都営西台アパートがある意味、最高の特等席かも知れないね。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。

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