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【出川の実家の前】横浜駅徒歩圏の異界「横浜中央卸売市場」前のバラック群がヤバイよヤバイよ

首都圏の「住みたい街ランキング」で相も変わらず上位常連として名が挙がる「横浜駅」…このランキングでよくツッコミを入れられるのは、それが一体横浜駅周辺のどのあたりを指しているのかという事である。しかも「横浜」と聞いて横浜市全体だと早合点して「横浜っつっても広すぎるだろーがよ」と吠えている勘違い組もいる始末。

しかしよくよく現地を見れば、横浜駅周辺のどのへんを指して「住みたい街」とプッシュしているのか把握できるはず。どうも横浜駅東口のベイクォーター裏手にある「ヨコハマポートサイド地区」と呼ばれるこの界隈のようですよ?このへんの駅チカ立地のタワマン、中古でも7000万とか1億とか普通にするようです。

住所で言う横浜市神奈川区金港町、栄町、大野町に属する区画にあたるわけだが、ここいらは90年代に再開発されてシャレオツなタワマンやら何やらが乱立する前までは横浜駅至近距離にも関わらずしょぼくれた倉庫・工場街が残るだけの一帯だったという。今ではベイクォーターの裏からペデストリアンデッキで直結していて、横浜駅まで徒歩10分そこそこで行ける立地だ。さらには“県名を冠しているのにしょぼすぎる鉄道駅ランキング1位”の京急「神奈川駅」にも近いぞ。

ヨコハマポートサイド地区の隣、横浜中央卸売市場に隣接する謎のバラック街

シャレオツ成分強めなヨコハマポートサイド地区を抜けると、その先はハマっ子の胃袋を満たす横浜の台所「横浜中央卸売市場」などがある魚臭い一帯となるのだが、横浜駅方面から伝染し続けている“オサレ菌”が今にも届きそうなギリギリラインとなっているこのあたり、ここが今回の目的地だ。

小綺麗なマンションで占領されたおハイソな生活空間のすぐ隣に現れるは、元々この地域にあった「開発から取り残された、しょぼくれた倉庫・工場街」の面影を今に残す、なんとも古ぼけたバラック家屋群なのである。横浜駅近くのバラックと言ったら神奈川宿エリアの「滝の川」沿いなどにもあるが、まあ一体何なんですかねこのへんって。

どうもこの10年くらいでポートサイド地区が膨張し始めているようで、このへんのバラックも一部解体されて、綺麗なマンションが建ち始めている。両側を新築マンションに挟まれて窮屈そうに残るバラック家屋、じわじわと立ち退きが進んでいるようにも思える。

このバラック街の背後を走るのは東海道本線の貨物支線の一つ「高島線」。その踏切から「ヨコハマポートサイド地区」の新旧の境界を見せつける光景にありつける。オサレマンションゾーンの端っこにそびえる分譲マンション「プレミスト横浜ポートサイド」は2013年築。ここまで来ると横浜駅からは徒歩15分近い。今の相場では中古で4~5千万円台後半、ポートサイド地区では恐らくこれで最安値だろう。

“プレミスト”なにがしが建っていた土地もほんの数年前まではこの通り、エグいくらいの生活環境を留めていたバラック街の一部だったわけだが、これらの建物も今では見られず、バラック街は相当規模を狭めている。

毎度の「お洒落な港町ヨコハマ」アピールの甲斐あってか不動産価格が異常に釣り上がり、高給取りのエリートリーマンしか住めない高級マンション街へと姿を変えようとしている。横浜駅から都心への毎日の通勤、どれだけしんどいか考えた事ありますか?満員電車がヤバイよヤバイよ!

そう言えば出川哲朗の実家の海苔屋があるんだった

…と唐突に“出川哲朗”口調になってしまったのにも理由がある。このバラック街から高島線の踏切を越えた向こうに横浜中央卸売市場とそれに付属する問屋街みたいなものが広がっておりまして、踏切のすぐ右手側にはですね…

ここには老舗海苔問屋の「蔦金商店」という店舗がございまして、ここが日本のお笑い界におけるリアクション芸人の第一人者としてあまりに有名な出川哲朗の実家であることは当サイトで説明するまでもなく有名。

それにしても“出川”本人ばりの体を張ったアピールが特徴的である。本人が顔ハメ看板の吹き出しで「リアルガチにうまくて、ヤバイよ!ヤバイよ!」と宣伝している同店舗の「出川哲朗の元気のりのり」はこの店舗まで来ずともAmazonなどでも購入することができる。近所のタワマン新住民も海苔ばかりは出川の店で買わなければ“もぐり”である。

出川の実家の海苔屋だけに留まらず、この周辺にはマニアックな佇まいの鶏卵専門店とか喫茶店なんかも入っていたバラックが見られたが、このへんも時代が変わって、とうとう廃墟っぽくなってしまった。その姿が見られなくなる時も遠くはないのだろう。

さっきのシャレオツタワマンとは180度方向性が異なる土着の渋い居酒屋「ポートサイド玉里場」も果たして現役なのだろうか気掛かりである。

蔦金商店の前のだだっ広い道沿いにも数軒連なる古びたバラック店舗群が。築地の場外市場みたいな立ち位置なのかも知れないが、ここは横浜駅にも近い割にはさっぱり「観光地化」はされない。芸能界でも縁深い二人、テリー伊藤の実家の卵焼き屋があるのが築地、出川の海苔屋があるのはこちら。そう覚えておきましょう。

滝の川最下流部の運河沿いには「西湖亭」という中華料理屋が一軒。マニアック過ぎる店構えといい明らかに市場関係者向けの町中華である。ここもタワマン住みのシャレオツ層は目もくれないだろうが、ここの特製シュウマイは超有名な“某K軒”よりも旨い、と評判を下す人間もいるらしい。

そんな中華料理屋の建物、裏手の運河から見るとなかなか壮絶な“水上家屋”状態になっているのであった。なんとご丁寧に船着き場まであるではありませんか。プライベート用なのか定かではないが、都内ではすっかり見かけなくなった、個人が勝手に建てた「水上建造物」がまだまだ横浜では普通に見られるんですな。

ここまで来たら横浜中央卸売市場で海鮮丼でも食って帰るか

さてさて、滝の川最下流部の橋を渡れば、その先には横浜中央卸売市場がある。昭和6(1931)年からの歴史がある市場だが、ここは築地改め豊洲市場のように部外者の立ち入りは基本的に禁止されていて、市場の入口にも物々しい看板が建っている。勝手が分からなければ物怖じしそうになる展開だが、中の食堂に入るだけであれば一般客も問題はない。(月二回、一般開放日がある)

色々と中に食い物屋がある中で、スロープの下の狭苦しいスペースにひときわ店構えが怪しい「厚生食堂」にピットイン。見ての通り完全に市場関係者向けの佇まいである。だが店の表には芸能人がテレビ番組の取材で訪れたようで、サイン色紙が何枚も貼り付けられていた。そういう店なので、素人がふらりと入っても問題はない。

今回は生魚の気分だったので「おまかせ海鮮丼」(900円)を朝っぱらから平らげた。海老、カツオ、穴子、サーモン、鯛、小肌、イカといった具材がドデーンと乗ってやってくる。改めて、いかにも観光客的チョイスである。周りの客は普通に焼き魚の定食とかカレーやそばを食っている。

横浜駅徒歩圏にあってちょっとした散歩にも程良いながらも、横浜の新旧対比はさることながら、表と裏の顔が一度に楽しめるコースとなっておりますが皆様如何でしょうか。住むにはどうかと思うがたまに来ると面白い街、それが横浜である。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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