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開かずの踏切とリバーサイド老朽化団地の街!西武新宿線最初の急行停車駅「鷺ノ宮」を歩く

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長々と続いてきた西武新宿線沿線の街レポートも今回は「鷺ノ宮」である。西武新宿、高田馬場両駅を過ぎると鷺ノ宮駅までは各停しか止まらないローカル感半端ない街ばっかりだったが、最初の急行停車駅である当駅周辺はさすがに発展度が高いかと来る前までは何となく想像していたものの…

いざ鷺ノ宮駅前に降り立つと、何でしょうかこの場末感極まる駅前一等地の姿は。一気に都県境を越えて埼玉まですっ飛んできたかのような感じすらするのである。一応住所は東京都中野区なんですけど…駅前の「西武鷺ノ宮名店コーナー」も何だか古めかしい。入っている店はただのチェーン店ばかりだが。

鷺ノ宮住民を悩ませる西武新宿線「開かずの踏切」問題

そして駅前には西武新宿線ではデフォルトとなっている平面交差の踏切にぶった切られたメインストリートという構図。しかもこの道路は杉並区の阿佐ヶ谷からずっと北へ伸びている中杉通りで、路線バスや車の通行も非常に多いという幹線道路のようなもの。踏切の遮断器が閉まる度に車と通行人が行列を成すのだ。

おまけに鷺ノ宮は特急以外の全優等列車(通勤急行・急行・準急)停車駅でもあるので、各停電車が通過待ちをする際にも遮断器が閉まったままになり毎度通勤通学中の人々はイライラさせられる。通勤ラッシュ時間帯には「開かずの踏切」状態になるのは勿論の事だが、並行するJR中央線ほどではないにしろ飛び込み自殺などによる人身事故でストップした場合は電車があちこちで立ち往生して、長時間遮断器が上がらない状態になるのだ。

特に鷺ノ宮駅周辺は中杉通り以外に車の迂回路はなく、鷺ノ宮駅前の中杉通りを通る路線バス利用者もこれに巻き込まれる羽目になる。阿佐ヶ谷行きと荻窪行きが頻繁に発着していて、両駅とも直線距離的には近いが、当然これだけの不利益を受ける中央線沿線の下位互換的エリアなので家賃相場も幾分かお安い。

鷺ノ宮駅前の妙正寺川も水没危険地帯

それに加えて懸念材料となるのが鷺ノ宮駅の南側を流れる妙正寺川だ。沼袋駅周辺にも言えるが妙正寺川沿いは大雨による河川氾濫のリスクがある。鷺ノ宮駅周辺も2005年に妙正寺川が氾濫し浸水被害を受ける家屋が出ている。急行停車駅の割には色々と不都合な事情が多く、あんまり商店街も発展していないのが鷺ノ宮という街だ。

そんな鷺ノ宮駅前でやたら幅を利かせているのは西武新宿線沿線ではよく見かける新宿の某不動産屋のドピンク看板…ではなく黄色一辺倒のやはりドハデな広告看板を掲げる地元不動産屋。隣の都立家政駅前に店舗を構えている例のピンクの不動産屋もこの街の黄色い牙城は崩せないようです。

「都心から近い鷺宮」をアピールするのは良いが、開かずの踏切で使い物にならなくなる路線バスで出なければならない阿佐ヶ谷や中村橋も加えられているあたり、利便性に対する評価が分かれそうなところである。西武新宿線だけでは歌舞伎町から歩いてJR新宿駅に行くか、高田馬場に出るか、中井で大江戸線に乗り換えるくらいしかないのだから。

鷺ノ宮駅前は北口に商店街がある

いささかビミョーな感じもする鷺ノ宮駅前だが、北口に「鷺宮商明会商店街」があり、まあまあそこそこに栄えている。ただ急行停車駅にしては地味な印象がしなくもない。各停しか止まらない野方にすら負けている感がある。メインストリートの中杉通り沿いは車の交通量も多い上に歩道も狭く、危険を感じる。

阿佐ヶ谷で言うところの西友のような総合スーパーは鷺ノ宮駅前の商店街には無く、小規模な個人経営の飲食店やらお一人様向けな「福しん」やラーメン屋ばかり。OKストアはあるが、少し離れた新青梅街道まで出なければならない。その代わり駅前には「サギノミヤ駅前ストア」という市場の残骸みたいなものがありましてですね…

かつては八百屋、魚屋、豆腐屋に天ぷら屋、肉屋といった生鮮食品店が一堂に揃っていたはずのサギノミヤ駅前ストア、今ではすっかりもぬけの殻で空き店舗には例のピンクの看板の不動産屋の広告まで出ているというオチ。いつ頃まで現役だったのでしょうか…

路地裏に入ると個人経営の渋い佇まいの定食屋やとんかつ屋なんぞがまだまだ元気いっぱいに商売をされている。「とんかつみやこや」は孤独のグルメ案件で鷺ノ宮駅周辺では人気の食い物屋ですね。愛想の良い老夫婦が営む家庭的なとんかつ屋である。

妙正寺川沿いの激安スーパーと団地群

一方であまり栄えていない駅の南側に回ると、線路と川にぶった切られた狭い駅前一等地で奮闘しているローカル感溢れる八百屋「UENOグループ金次郎」が個人プレイ炸裂気味である。親子二代で続いている土着型ミニスーパーで、激安バカ安路線を猛烈アピール。二階のカラオケスナック「入船」や隣の「カレーやうえの」も同じ経営者の店舗でしょうかね。

川を挟んだ向かいの「焼肉ジュージュー苑」も昭和丸出しっぷりで西武新宿線沿線ではお馴染み「駅前徒歩ゼロ分の場末感」を演出している。東京じゃ駅前の飲食店が食べログ情報で埋め尽くされるのが普通だが、ここ、たったの一軒しか口コミ出てませんし…隣の営業していない古本屋のポエミーな文章「風は頁をめくるが読むことはできない」もいちいちツボに来る。

そんな川沿いに歩いて行くと駅徒歩5分もしないうちに「鷺宮西住宅」という東京都住宅供給公社の団地が現れる。昭和36(1961)年築という随分年季が入った団地である。さっきの激安スーパーはこの団地の住民が常連客と見た。

ご多分に漏れず古い公営住宅は高齢者だらけになっているものだが、鷺宮西住宅も19の中層棟がそびえるそこそこ大きな団地なのに生活感がいまいち乏しい。給水塔があるのは古い団地の証拠。鷺ノ宮駅周辺の妙正寺川沿いにはこのような団地がやたらと多いんですが…

そんな鷺宮西住宅、間取り3K、約40㎡で家賃6万とかそんな感じらしいのでお金がないファミリーの職住近接生活には程良いのではないでしょうか。近い将来、老朽化による建て替えの予定もあるかも知れませんがね。

一方で鷺ノ宮駅から妙正寺川を南に下ったところにある旧「都営鷺の宮アパート」のボロ団地群は見事に建て直され、複数の高層棟と「中野区立白鷺せせらぎ公園」が広がる新しい街並みに生まれ変わっていた。ここ、かなり前に訪れていて記事にもしていたのだが、かなりのズタボロ具合だった記憶がある。

そして鷺ノ宮住民の長年の不安の種になっていた暴れ川・妙正寺川の氾濫を防ぐ「妙正寺川鷺宮調節池」がこの公園の真下に整備されていたのである。この調節池で浸水被害を防ぐ事ができると地元民の期待もさぞかし集まっていることだろう。あとは西武新宿線が地下に潜るか高架になって開かずの踏切が無くなってくれる事を住民は願わずにはいられない事だろう。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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