東急プラザ蒲田屋上遊園地が3月2日で閉店!都内からデパ屋観覧車が消える日

大田区

「消えそうな昭和遺産」の括りに入るものの一つに「デパートの屋上遊園地」が挙げられる。昭和の時代には百貨店へのお買い物は一家の休日イベントで、お買い物を楽しんで、食事を楽しんで、それから屋上遊園地へ…なんて流れがあって、昭和生まれ世代であれば子供の記憶にそういうものが残っている事も少なからずあるだろう。

大田区 蒲田

しかし近年の東京では数多あるデパートの「屋上遊園地」が次々と閉鎖されている。2010年5月に元祖デパ屋遊園地・松屋浅草が、2013年3月には渋谷の東急東横店が、6月には松坂屋銀座店が、そして今年3月2日には蒲田の東急プラザ屋上が、さらに11日には松坂屋上野店の屋上遊園地も閉鎖予定になっている。特に東急プラザ蒲田の屋上は都内唯一の「観覧車付き」。最終日なので様子を見に行ってきた。

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東急プラザ蒲田は前身の「蒲田東急ビル」時代の昭和43(1968)年11月1日にオープン、それ以来当地で屋上遊園地を45年間営業している。「プラザランド」という名前で、運営会社はゲームメーカーのナムコです。

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3月2日の最終営業日、寒の戻りで小雨がぱらつく曇天ながら行ってみると家族連れとカメラ片手の男女がぎっしり。生憎様のお天気なので乗り物類はことごとくカバーが掛けられていた。

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屋上遊園地だけあって面積は狭いが、奥の観覧車がある方に人だかりが出来ている。やはりこの屋上遊園地では観覧車が何よりも一番のトレードマークになっている。どうも撮影会の準備らしいんですが…

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しばらく様子を見ていたらウルトラマン兄弟がどこかからやってきて記念撮影を始めました。皆さん盛り上がってますね。45年間の歴史に幕を閉じるともあって、二代三代で遊園地に遊びに来たと思しき地元民の方もおられた事でしょう。

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そんな東急プラザ蒲田屋上遊園地のシンボル、デパ屋観覧車の名は「グレ太の観覧車 フラワーホイール」!一周3分30秒で一回転するチューリップ型のプリティな小型観覧車である。それにしてもグレ太って誰だ。のび太みたいなキャラでもいるのか…

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普段は有料(200円)の観覧車もラスト一週間は無料開放。土日はイベント開催の影響で夕方4時からしか乗れないので、まあ諦めたんですがね。ちなみに初代の「お城観覧車」が1989年まで稼働していて、それから現在の二代目に変わっている。

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我々は以前ここへ来た時に、観覧車にはちゃっかり乗っていたのだ。「デパートの屋上に観覧車がある」というのが、今となってはかなり珍しくなってしまった。その存在を知った時に矢も楯もたまらずいい歳こいた大人で連れ立って乗りに行った時の写真がこちらになります。

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そもそもここを知ったのは寺島しのぶ主演の映画「やわらかい生活」の冒頭にこの観覧車が出てきたのを見たからだ。この映画、終始蒲田各所でロケしているので、蒲田大好きな方なら必見です。

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蒲田は東京の最も南の外れにある繁華街で、東急池上線や多摩川線の沿線住民にとってはターミナル駅にもなっていて駅前の発展具合もなかなかだが、これほど「場末」といった言葉が似合う下町もない。

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この屋上遊園地にやってきて「東京じゃないみたい。ここに引っ越してこようかな」と台詞をつぶやく映画の中の寺島しのぶ。なんとも程良く蒲田の街の空気を汲み取っていて、場末感が漂っていていい。

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でも明日からはここには入れなくなりますよ。東急プラザ蒲田のリニューアル後に遊園地が再開する予定も未定だし、もう東京にはこういう空間が無くなるので、埼玉まで出て川越丸広の屋上にでも行くしかない。屋上遊園地に観覧車があるのはとうとう全国でも川越丸広百貨店の一ヶ所だけになってしまうようだ。

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最後に屋上遊園地を見納めてから駅に戻る途中で座り込んでいたのは蒲田には比較的多いと思われるホームレスのオッサン。外は寒くて冷たい雨が降っていれば、駅の中に居座るのも無理はない。駅構内もやたら綺麗になってしまったが、この辺の事情は全然変わらんよな。

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