ガチな下町「荒川区荒川」 (1) 荒川区役所前

恐らく東京23区である意味最もマイナーじゃないのかと思わされる事があるのが「荒川区」である。面積は23区のうち台東区、中央区の次に狭く、先日の東日本大震災後に発生した計画停電では当初23区で唯一対象地域に含まれて(実際は足立区の一部も含まれた)区民が往生こいたりと、まるでブラックホールのような存在だ。
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そんな荒川区を訪れても日暮里、町屋、南千住などと地味なエリアが辺縁部に点在するのみで荒川区役所がある町屋の南側一帯には殆ど訪れていなかった事に気づいた。町屋駅から徒歩10分、もしくは都電荒川線の荒川区役所前停留所を降りた先にある荒川区役所の建物は、マイナー区の存在感をそのままに古びた佇まいを見せている。


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そんな荒川区役所の裏手に入るといきなりド下町な路地裏風景が連なっているのが見られる。低層の町工場とボロ長屋がひたすら広がる街並み、これが荒川区においてはデフォルト。
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荒川区役所近くから町屋駅方面に抜ける車通りの少ない「荒川中央通り」。この付近の住所は「荒川区荒川」となっていて、町屋と三河島の中間地点。南側は明治通りで突き当たる。
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その荒川中央通り沿い、通りの名前とは裏腹に街が栄えている様子もなく時折肉屋などの個人商店がポツンと見られる程度だ。
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角の肉屋がある路地に入り込むとその奥には区立荒川図書館。物凄く奥まった場所に存在するマイナー区のマイナー図書館。周りはボロアパートやマンションに囲まれていて、教えてもらわなければこんな場所に図書館があるとは気づかないだろう。
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また古くからのコリアタウンである三河島に近いせいか韓国系の店もちらほらと見られる。物凄く年季の入った手作りキムチの店ニダね。町工場で働くおじさんのスタミナ源はこういう店で作られている。
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たまにまともに建て替わった一軒家などもある訳だが相変わらず風呂もついてなさそうなオンボロ共同アパートが幅を利かせている。路地の奥にある学校は第二峡田小学校。町屋周辺の小学校には大体「峡田(はけた)」という聞き慣れない地名が付いている。
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東京では町工場は郊外へと追いやられる傾向が強いが、それでも荒川区だけが発展せずに昔の街並みを残しているように見える。急角度なトタン屋根の素敵な平屋建て一軒家を発見。
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区役所の真ん前だというのに既に潰れて営業していない料理屋があったりと寂れ方が尋常ではない。隣の三河島もそうだが古い町工場ゾーンの宿命とも言えるような風景が全体的に目立つ。
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そんな中で一軒だけ勢いのいい中華料理屋が店を開けている。ドカ盛りで有名な「光栄軒」である。昼間訪れると周辺のサラリーマンや町工場のオッサン、もしくは通りすがりの工事作業員なんかが店の前に列を作っている。
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昔からやってる中華料理屋なのは見ての通り一発で分かる訳だが、やっぱり中華料理屋といったらダクト付近に目が行く。予想通りのギットギトぶり。この小汚さは間違いなく旨い中華料理屋の証。
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昼飯がてらに入った光栄軒のオムライス普通盛り(650円)。どこぞのお上品なカフェめしの倍以上の大きさがある。ケチャップライスは2.5合、鶏肉の代わりにチャーシューの切れ端が入っていたりと中華仕様な感じだがコストパフォーマンスは最強。労働者の腹を満たすマジモンの下町食堂だ。客は案の定男ばかりでした。

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