新宿・渋谷と並ぶ東京山の手三大副都心の一つ「池袋」が最近騒がしい。長年“池袋の顔”として親しまれていた西武百貨店池袋本店を経営する「そごう・西武」(セブン&アイHD)が外資系ファンドに身売りされ、その後ヨドバシカメラに売却された。8月31日には西武池袋本店を臨時休業して労働組合によるストライキが決行、大手百貨店によるストライキは昭和37(1962)年に大阪・梅田の阪神百貨店がスト決行をして以来61年ぶりという。


かつての“西武王国”は見る影もない…といったところで、関西にも大津や高槻、八尾にもあった西武百貨店は全て撤退してしまった後で、まさか本丸の池袋本店まで外資に身売りされるとは…と驚く一方で“百貨店文化の衰退”という言い訳が聞こえるのも殊更「池袋」という土地に関してはやや違和感がある。

西武百貨店池袋本店、通称“イケセイ”は新宿伊勢丹、阪急うめだ本店に次ぐ全国第三位の売上高を誇る百貨店で、そこを半ば無理やりに「身売り」をする必然性が感じられない。さらにそこにヨドバシカメラが核テナントとして入居する。既にビックカメラとヤマダ電機があるのに、それに加えてさほど遠くもない新宿に“総本山”があるヨドバシは池袋には要らない、そう反発する声も根強い。今年2月に逝去した前豊島区長の高野氏もヨドバシ進出に猛反対していた人物だ。


で、今回のそごう・西武買収劇でも登場し、これまでにもレオパレス21の再建などで度々名前が挙がってきた外資系ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」の日本法人からそごう・西武の新社長として、39歳の若手中国人・劉勁氏が新たに着任した。これが何を意味するかお察し頂けるだろうか。池袋の顔たる“イケセイ”のトップが、プロフィールも顔もよく分からない「謎の中国人」になってしまったという話だ。これによって“池袋チャイナタウン”の既成事実化がさらに推し進まれる事になる。ヨドバシどころかガチ中華フードコートまで出来たりせんかね、これ。
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