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【小鹿野町】秩父の超絶山奥にポツンとそびえる中国豪華建築「埼玉県山西省友好記念館・神怡館」が謎すぎる件

「埼玉県が中国化している」…そんなフレーズが頭に思い浮かぶと、つい西川口とか芝園団地とかあのへんの事ばかりを想像してしまいがちになるのだが、坂戸市に行けば本格的な台湾道教寺院もあるし、熊谷市の玉井団地なんかは中国人が不法耕作しまくっているし、当の県民が想像する以上に埼玉は中国化しているのである。

で、今回やってきたのはやはり同じ埼玉県なのだが、場所が超絶山奥、秩父郡小鹿野町である。秩父に行くだけでも東京から2時間は見ないとならないのに、そこからさらに車で30分掛かる山奥、旧両神村の地にデデーンと鎮座する中国豪華建築物、その名も「埼玉県山西省友好記念館」。うわー、なんか凄く政治の匂いが漂いますね…

秩父の山奥に観光不毛の埼玉県が誇る無駄な公共施設が!

どうやらこの建物、バブルの残り香漂う1992年に埼玉県が友好県省締結している中国の山西省に絡んで、締結10周年を記念し約12億円を掛けて建設したもので、山西省から「神怡館」(しんいかん)という愛称を命名してもらっている。ちょっと埼玉に詳しい人間なら坂戸の聖天宮くらいは知ってるだろうが、ここは小鹿野町(旧両神村)ですからね。そもそも気軽に来られる場所ではないし、知ってる人間の方が珍しいのでは。

しかしこの「神怡館」、案の定というか1992年の開館以来入場者数がずっと右肩下がりになっていて、建設から四半世紀が建ち老朽化による修繕費や維持管理費などの見積もりを行ったが、とても入場料収入でペイできるレベルではないと判断され、2018年4月1日付で『廃止』される事が決まっている。

日本国内に色々と中国風味な間抜けなハコモノがいっぱいありますが、こんなに熱烈歓迎感のない「熱烈歓迎」も珍しいですよ。元々ここはレストランだったらしいがとうの昔に閉館してしまったようだ。芝園団地や東宮下団地にお住まいの中国人も、よもや同じ埼玉にこんなハコモノがあろうとは思いもしないだろう。

神怡館が開館した当時の両神村は町村合併により2005年10月に隣接する小鹿野町に吸収され、現在施設の管理は小鹿野町振興公社が指定管理者となって運営を続けている。歌舞伎とわらじカツで有名な小鹿野町、合併しても人口は約11,600人と小さい町である。町の財政状況を見てもここを管理するのは難しい。

巨大な神怡館の建物前には中国様から贈られた品物の数々が有難そうに展示されつつも、殆ど来る事のない観光客を待ちわびるかのように佇んでいる。山西省の炭田から「埼玉県の為に特別の坑道を用いて運び出した」石炭塊が鎮座。“パンダ”以来の中国外交の伝統ですね。

1日平均20人しか来ない秩父の山奥の中国豪華建築

ではそろそろ「神怡館」の中に入ってみる事にしよう。入場料は大人200円、小中学生120円で、団体割引もある。(しかも2013年7月1日から入場料が350円から200円に値下げされている)

しかし2014年の入場者数は過去最低の5850人と埼玉新聞の報道には記されている通り、単純に1年の営業日数を300日としてそのまま割ると1日20人くらいしか来ない事になる。1日20人!八高線の無人駅でももう少し乗り降りする人間がいるぞ。

いざ入場。暇を持て余していそうな女性職員に入場料を支払って中に入るとのっけからデデーンとそそり立つ白い巨塔が。まあなんというか90年代感漂うハコモノと言う他ないボキャブラリーに乏しい感想しか出ません。

神怡館の中には中国山西省から寄贈されるなどした仏像、絵画、建築模型、工芸品の数々を1186点収蔵しており、そのうち半数が所狭しと常時展示されている。中国マニアならわざわざ東京から車で2時間半掛けて来る価値もあろうものだが、せいぜいこの場所に来るのは「絵面」が欲しいだけのコスプレ愛好家ばかり。

展示物はそれぞれ価値も高いものであろうが、それがこんな秩父の山奥にぽつんと置かれているのは、やはり「宝の持ち腐れ」という他ない印象を受ける。それにしても、よく25年間も経営が続けられたものだな。

パンダと並んで中国様から貰える贈り物としてポピュラーな翡翠で出来た大きな「玉香炉塔」が館内の目立つ場所に展示されている。悪趣味な金持ちの家にこれの小さいやつがよく置いてますよね。

高さ337センチもある木製の仏宮寺釈迦塔(応県木塔)の縮小模型もご立派過ぎてぐうの音も出ません。山西省に建つ実物は67メートルもあり、これは20分の1模型という事になる。

兵馬俑の馬の置物とかもいちいち造りが精巧である。閉館後、これらの展示物の行方はどうなるのかを考えると、ご立派過ぎるだけにもったいない…

ちなみに現在「神怡館」では閉館間近ともあって特別展も開催中という事らしい。小鹿野町方面にお出かけの方はついでに立ち寄ってみては如何でしょうかね。

立派すぎてもったいない中国マニア垂涎の館、閉館後の第二の人生は?

豪華絢爛という言葉をそのまま具現化したような九頭の龍が描かれた「九龍壁」なんかもバッチリ鎮座している。どうせ中国風なんだから閉館後は中国系企業が買収してホテルに改修、なんて「第二の人生」はどうかと考えるが、さすがに秩父の山奥は辛いです。

山西省と埼玉県を比べられましても、せいぜい「海なし県」である事くらいしか共通点がないように思えるのですが如何でしょうか。ちなみに面積は埼玉県41個分、人口は埼玉県の5倍、中国は巨大だ…

なにやら山西省の学校風の等身大ジオラマなんかあったりしますが、中華風味なコスプレ会場として使われているのでしょうか。坂戸の聖天宮もコスプレ会場扱いされていますが埼玉にはオタク文化がよく合うようです。

コスプレ気分になりたい方は中国の宮廷服も1時間1着500円でレンタルしておりますので如何ですかね。

最後にお約束のお土産コーナー。結局この日に居合わせた客はただの一人もいませんでした。「あ、秩父があった。」と若干自虐気味なポスターが笑いを誘うが、秩父の中でも「あっ」と気づいてこんな場所まで足を運べるのは相当なマニアしか居なさそうで。

近隣には「道の駅両神温泉薬師の湯」とか国民宿舎両神荘といった施設もあって、それなりにツーリング客が通り掛かる土地ではありそうだが、やはりそれだけでは厳しいようだ。3月31日が最終営業日なので、気になる方は急いで秩父の山奥に行きましょう。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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