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23区の最果て・練馬区大泉学園町 (1) 大泉学園通り

東京23区と一言で言えどもひたすら広大なのは頭では分かってはいるが、練馬区の端っこに行くような機会などなかなかある訳もなかろう。23区の広大さに打ちひしがれて何も考えたくないような投げやりな精神状態の時に行きたくなるのが練馬区の端の端にある大泉学園町。

以前は西武池袋線の大泉学園駅近くにある東京都区内唯一の牧場「小泉牧場」を訪れて練馬区の田舎っぷりと23区内にモノホンの牧場があるという意外性にワクワクしてきた訳だが、今回は「練馬区大泉学園町」という土地そのものを見てみたいという衝動に駆られた。



この大泉学園町は関東大震災後に郊外の土地への需要が湧き出した頃に箱根土地会社(コクドの前身)が開発した住宅地。最寄りの大泉学園駅からは北に約1.5~2キロ以上離れた場所に碁盤目状に整備された「風致地区」なるエリアがあり、その真ん中を大泉学園通りが南北に貫いている。練馬区大泉学園町六-八丁目、埼玉県新座市栄三-五丁目に跨り、何故か地区の中を都県境が複雑に走っている。

わざわざバスを乗り継いでここまで来たが物好きもいいところである。街開きの経緯が特殊な事を除けば別にどうって事のない郊外の住宅地でしかない訳で。大泉学園通りの名前を示す練馬区のプレートが、ここがまだ辛うじて23区内である事をアピールしていた。

陸の孤島のような大泉学園町へ向かうには当然ながら路線バスが有効である。最寄りの大泉学園駅から徒歩だと30分以上掛かるので、駅からバスに乗る事になる。この路線バスはかなり頻繁に走っており、大泉学園駅に限らず吉祥寺、阿佐ヶ谷方面に直通するバスもある。

駅前からバスに乗って関越道の下を潜った先が大泉学園町のメインコンテンツとなる。大泉郵便局やマルエツなどがある北出張所前バス停はまだまだ序の口。ここからさらに1キロ以上も街並みが続いている。

随分遠くまで来てしまった…と変な錯覚に囚われそうになるがまだ23区内ですから。現地に訪れても最果て感はあまりしない。意外に街が発展しているのと、大泉学園通りが商店街になっていて道の両側に店舗が集まっているからだ。

途中で脇道に入るとちょっとした飲み屋横丁っぽい路地も隠れていたりする。もっとニュータウンっぽいものを想像していたが意外に侮れない住宅地だ。

基本的に住宅街としての整備が行き届いている一方でヤマダ電機の店舗南側には大規模な畑が広がっていて田舎臭さ全開。大泉地区は23区最強の農村地帯でもありその地位は揺るがない。ちなみに生産が盛んなのは練馬大根ではなくキャベツとブロッコリー。もし練馬区大泉地区だけが独立国家を築いても食料自給率は100%を越えるに違いない。

商店街となった大泉学園通り沿いにある店は昭和の風情が濃密に残されたものが多い。ヤマダ電機の向かいにある「レストランナポレオン」は一昔前の寂れて廃墟同然の外観が素敵。ところで営業してるのか?

東南アジアのどっかみたいな風情を見せるコンクリート水槽があるこの店は何だと思ったら普通の熱帯魚屋だった。やはり街のテンションは23区内のそれとは一線を画する。

大泉学園町のメインストリートには、まだまだ昔ながらの土着的な商店が根強く生き残っている。おしなべて庶民的な店ばかりで小洒落た感じが一切しないのが良い。街が出来た経緯だけを見れば田園調布なんぞと大差ないと思うが、この違いは何なんだろう。

見た目は小洒落てないのにバス停の名前だけは「学園通り補助二三〇号線」などとやたらカッコイイ。実はこれが大泉学園通り(都道)の正式名称なんだそうだ。
ちなみに大泉学園町は「社長が多く住む街」のトップ3に入っているらしい。成城、田園調布に次いで3番目だなんて、この街並みからはイメージ出来ませんが。確かに車があれば関越道のインターも近くてそれなりに便利そうだけどね。

これでいいのか東京都練馬区 (地域批評シリーズ日本の特別地域 13)
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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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