カッペの憧れ「下北沢」 (2) 駅前食品市場

一度来た事のある人なら理解できるだろうが下北沢駅前はやたら狭い。下北沢エリアは世田谷区に属するが、世田谷区と言えば地元のタクシー運転手でさえも頭を抱えてしまうという「迷宮道路」の本場であり、モータリゼーションが進む前から市街化が進んでいたため、ろくな車道が通っていない。
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それは鉄道にあっても同じことが言えるわけで、小田急線が新宿方面に来るまでに、ラッシュアワーのときには急行電車が各駅停車に追いついてしまい、この界隈からノロノロ運転が始まると言われている。
線路は地上を走っており、踏切が街をぶったぎる。この線路を往来しようと思うと、頻繁に閉まる駅東側の踏切を渡るか改札前を通るかしないとならない。


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そこで小田急は下北沢駅を含めた周辺の路線を地下化するために急ピッチで工事を進めている。(→詳細)地下化が完成すると、かなりの部分が複々線化されるため、ラッシュアワーのノロノロ運転が大幅に改善される見込みである。
駅の東側踏切の前では大掛かりに工事を進めている様子を伺うことができる。
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その踏切のすぐ北側の一角だけに、やたらオンボロ物件が密集しているのだ。これはいわゆる戦後の闇市系物件に違いないだろうと俄然テンションが上がる。
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その、闇市の匂いがするエリアに一歩足を踏み入れると、わずか20~30メートル四方の敷地に古い商店が軒を連ねている風景に出くわすのだ。
駅への抜け道にもなっているため通行人は多い。
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古めかしいアーケードと明かりにに照らされて、所狭しと古着を並べる服屋や、隣にはインド料理の店などが並んでいる。急に異国の下町状態へと迷い込んだ気分だ。
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もう片方の筋にはカバン屋がある他、長年営業を続けて居そうな食料品店が数店舗残っている。
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闇市チックな通りを過ぎて表に出ると、そこは駅北口だった。振り返ると「下北澤驛前食品市場」とえらくレトロな旧字体が使われた看板が。実際に食品市場だったのは昔の話だろう。今では雑多で少し寂しげな風情を漂わせているだけに過ぎない。
そして、この市場も小田急駅地下化工事が完成する前までには取り壊される事が決まっている。その工事に伴い、下北沢駅前に高層ビルや大規模な道路を含めた再開発計画が挙がっている。当然この計画に反対して住民運動も巻き起こっているのだ。(→詳細
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再開発計画の概要は小田急下北沢駅構内にある情報ステーションを見に行けば良い。広い道路と整備された街が安心なのか、狭い路地に入り組んで何でもある街が安心なのか、それは人それぞれの感性で決まるものだが、やはりそこに住んでいる地元民の意見が最も尊重されるべきだと思うがいかがだろう。
駅前全部歩行者天国、そんな街が一つくらいあっても悪くはないと思うけどなあ。
参考サイト
Save the 下北沢

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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