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東急世田谷線山下駅(豪徳寺)

東京で唯一路面電車が残ることで知られているのは「都電荒川線」だが、厳密に言うと都内にはもう一つ路面電車タイプの路線が走っている場所がある。東急世田谷線だ。
この路線は大正14年に開業した前身の「玉川電気鉄道」(玉電)がはじまりで、現在東急田園都市線の「三軒茶屋駅」から小田急線豪徳寺駅前の「山下駅」を経て京王井の頭線の走る「下高井戸駅」までを結んでいる。路面電車だが、全区間が専用軌道になっているので道路を走る車と同じ場所を走ることはない。
運賃は他の東急線とは完全に独立しており全区間140円均一と、かなりイレギュラーな路線である。世田谷区民でなければあまり知られていないであろうこの電車に乗るため、三軒茶屋駅を訪れた。
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渋谷から東急田園都市線に乗って三軒茶屋駅で降り、世田谷線ホームまでは結構歩く事になる。三軒茶屋駅前が再開発されてから駅の位置が変わっており、慣れないと駅を探すのに少し混乱する。完全に路面電車な世田谷線の車両に乗り込む際、運賃箱に140円を入れるのだ。


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もともとは渋谷から二子玉川までを「玉電」こと東急玉川線の路面電車が走っていて、世田谷線はそれの支線にあたる存在だった。1977年に現在の田園都市線の元となる東急新玉川線が開業してから「玉電」が廃止されて今の形になっている。
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路面電車に揺られること十数分、山下駅で下車。
駅の名前が違うが小田急線豪徳寺駅との乗り換え駅にもなっている。
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駅前はいたってこじんまりとした作りになっている。
やはりここはお上品な世田谷区だからだろうか、明らかに下町であるにも関わらず胡散臭いパチンコ屋やサラ金の看板を見かけることがない。
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そこには年季の入った下町の電気屋が一軒。確かに電気屋なはずだが妙に所帯じみている。水槽の中には縁日で釣ったものか知らんがでかくなった金魚が泳いでいる。
上部の看板には「日立カラーテレビ・キドカラー」。昭和臭全開。
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…と思ったら店の外にキドカラーの現物が置かれていてびっくりした。古きよき日本のテレビ文化を物語る昭和家電遺産の一つ。もはや家電というよりインテリア。テレビが婚礼家具同然の扱いだった頃の素敵なデザインである。
今ではテレビなど白痴電波の元凶でしかない存在だが、かつてはテレビが一家に一台、三種の神器と呼ばれていた時期もあったんだね。このキドカラーが映し出していた世田谷区民の磯野家「サザエさん」の日常を見て「平均的日本人像」を思い浮かべてた庶民のお茶の間も今や昔。
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今回世田谷を訪れた理由は、駅の名前にもある「豪徳寺」という招き猫伝説の寺を単純に訪問してみたいという何気ない理由だったのだが、山下駅前を離れて豪徳寺方面に進む事にしよう。
一向に猥雑さのない世田谷らしい風景が続く。
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豪徳寺方面に続く「豪徳寺商店街」は招き猫のキャラが描かれている何の変哲もない商店街だ。一通り買い物には不便しない作りになっている。雰囲気は悪くない。
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豪徳寺民の食料調達スポット「スーパートップス」の建物はやたら年季が入っている。そのまま直進すると再び世田谷線の線路を見る事になる。豪徳寺に参拝するなら、隣の「宮の坂駅」の方が近い事に今更気づいた。
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世田谷の下町地帯をまっすぐ突っ切る東急世田谷線の線路。同じような風景に見えてもやはり都電荒川線とは何かが違う。一部の赤提灯・路地裏原理主義者に「どこがDEEPやねん」と突っ込まれそうだが、引き続き、招き猫寺までの平凡な散歩道は続く。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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