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大宮の24時間営業老舗喫茶店「珈琲館伯爵邸」…実は隠れた埼玉の沖縄なのである

久々にやってきたのは埼玉で一番都会らしい大宮駅東口ですよ。東京と東北・北関東・信越への結節点である巨大ターミナル駅ですね。県庁所在地の浦和を差し置いて人混みの多さはなかなかのもの。しかし東口の駅前風景は前時代的な空気を色濃く残している。都会と田舎のハイブリッドというか、いかにもそのへんは埼玉らしい立ち位置を体現した場所でもある。

さいたま市 大宮

そんな大宮駅東口から南に歩けば埼玉屈指の歓楽街でDQN濃度が過密な「南銀座」通称ナンギンがあり、北に歩けば怪しげなお風呂屋さんが沢山並んでるエリアなんぞがあったりするが今回のネタは無難に「老舗喫茶店で夕食を食べましょう」という内容だ。

さいたま市 大宮

大宮駅東口の繁華街、一番街アーケードを抜けた先の路地にひっそり佇む喫茶店「伯爵邸」。大宮では老舗の部類に入る超有名どころ。ロケーション的には少し分かりづらい場所にあるし、向かいはパチンコ屋だし雑然としまくりな場所なんですが…同じ埼玉の植民地、池袋にもある「伯爵」とは関係あるんでしょうかね。

ここの特徴は堂々の「24時間営業」。繁華街のど真ん中にあって早朝から深夜までいつ何時でも開いているという強気っぷり。しかも昭和48年からずっとこの営業体制を続けているというのだから半端ではない。看板の「間」の字が略されているこの看板も店の歴史を感じさせる。

さいたま市 大宮

店の前に並べられた観葉植物の数々やガラスケースなどに混じって時々店の前に唐突に野菜が大量に置かれていたり、店内レジの下のケースも本来ならケーキなどが並んでいるはずがここでは野菜が無造作に詰め込まれていたりする。ここは普通の喫茶店ではない…直感でお分かり頂けるだろうか。

さいたま市 大宮

そしてこの伯爵邸、24時間営業である上に時間帯によってメニューが異なる。ランチメニューは値段も控えめだが多種多彩でしっかり食えそうなレパートリー。これだけ見てたら完全に食堂のメニューである。どうやら客の要望に答え続けていたらいつの間にかレパートリーが大量に増殖してしまったらしい。

店内に入る。年季の入った外観から予想通り昭和の薫りがプンプン漂う前時代的ゴージャス系のゴッテゴテな内装が素敵である。壁や天井のステンドグラスも24時間灯りを点し続けているのだ。まさしく大宮の不夜城と呼べるべきものだが、断じて城の形をした変なお風呂屋さんの事ではないし、無論禁煙席なんてものは存在しない。使い込まれたベルベットのソファに身を沈める。そこそこ広い店内だが客席はほぼ埋まっている。いかに現地人に愛されているかが一目で分かる。奥の席だけゲーム台になってるのが気になった。

やや分厚目のメニュー表を日本語のたどたどしいウェイターから受け取る。伯爵邸の店名通り西洋の貴族を意識した内装やしつらえが施された店だが、どうも目につくメニュー表の「沖縄塩サイダー 400えん」の張り紙。何故に沖縄!?

そのまま勢いでメニュー表をペラペラめくると…あるわあるわ、沖縄料理の数々が。ラム肉のヤンバル焼き定食、フーチャンプルー、沖縄風ポーク玉子とじ…しかも中華料理まで用意しているというこの重食喫茶っぷり。コーヒーも豆の種類がやたら豊富だし、ジュースや他の飲み物もさておき中国茶もある。抜かりがありません。

とめどない食欲が襲ってきたので「ラム肉のスタミナ丼」を注文する。ピリ辛な焼肉タレに近いソースが癖のある臭みを備えたラム肉と絡み合うワイルドな一品。ただ旨いとしか言えない。沖縄では山羊肉をよく食べますが、ラム肉は子羊の肉です。

そして気になって頼んだもう一品「沖縄風パスタ」。これを見てどこが沖縄風なのか今ひとつ分からないのだが、ミートソース系のパスタに豚バラと茄子が載っている。沖縄には同じようなものはないと思うが、味付けはすこぶる良い。

パスタについてくるスープは中華風。これがコーヒーカップに載せられてやってくるというフリーダムっぷりが沖縄風という事なのだろうか。どうやら店のオーナーさんが沖縄出身の方だそうで、沖縄系メニューがやたら多いのはその為らしい。

伯爵邸に来る客はあまり「沖縄」を意識したりせずに普通に喫茶店として使っているようだが、ここまで沖縄アピールされまくったら食後のデザートまで沖縄一色にしてやる。なんだよこの「パラダイス沖縄」って…マンゴーパフェの亜種だろうか。とりあえず別腹でオーダー。

その後我々のテーブルに運ばれてきた「パラダイス沖縄」…それはまるで夜の那覇栄町社交街に立ってるババアみたいに太めなボディのパフェですね…こうして食後のデザートまでのらりくらり平らげていたら居心地が良いもので2時間弱も過ごしてしまった…

ここまで来てふと思ったのだが、この喫茶店の雰囲気は沖縄本島にある24時間営業のレストランに瓜二つなのだ。用途は喫茶店にもガツ盛り食堂にも使えるし、どこか適当だし、このゆるい雰囲気は紛れも無く沖縄のもの…まさしく「伯爵邸」はサイタマの中のオキナワだったのである。

その後、大宮の夜の街をふらふら歩き回って帰ってきたのだが、結構あっちこっちに沖縄居酒屋が多いんですよね。埼玉最大の繁華街大宮のウチナーンチュコミュニティ、存在感強いです。今後もじわじわ攻めてみたいと思います。

※珈琲館伯爵邸がNHKドキュメント72時間(2017年1月20日放送分)に取り上げられた模様です。

カフェ&デリ 伯爵邸

営業時間 24時間 無休
(深夜早朝は1人200円の深夜料金が必要)
埼玉県さいたま市大宮区宮町1-46

埼玉県さいたま市大宮区宮町1-46


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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