どうしてこうなった!ほぼ廃墟化しながら生き長らえるゾンビモール「岩槻名店街」

さいたま市

さいたま市岩槻区。2002年に自治体合併でめでたく埼玉県内初の政令指定都市となった「さいたま市」の中でも一足遅れて編入された旧「岩槻市」にあたる地域だ。人形の街、それから東北道岩槻インターのホテル街が有名ですね。

さいたま市 岩槻

しかしこの街に電車で来るとなると大宮か春日部から東武野田線改め東武アーバンパークライン(笑)に乗らないと来れず若干不便な土地柄。現在浦和美園駅が終点の「埼玉高速鉄道」の延伸を願うPR看板が駅前ロータリーに設置されている通り、中心市街地の衰退がのっけから気になる。とは言え駅前の店舗は古くからの日本人形屋ばっかりですが。

さいたま市 岩槻

そんな岩槻の市街地にとんでもない商店街があると聞いて今回やってきたのだ。東武岩槻駅からそれほど離れていない本町中央通沿いにあるのだが、「平成ロード430」とかいうお役所的ノーセンスっぷり全開の愛称が付けられていて、しかもすこぶる寂れているので何ともダサイタマな感じであります。この辺に住んでたらみんな大宮に出ちゃうだろうし商店街にとっては辛いところだな。

さいたま市 岩槻

問題の物件はすぐに見つかった。「岩槻名店街」という名前の商店街。昭和46(1971)年に建てられたものらしく当時はめちゃくちゃ流行っていたそうだが、例に漏れずモータリゼーションの影響で中心市街地から人が居なくなって、場末化しちゃった感じ。

さいたま市 岩槻

「楽しい買物の散歩道」とサブタイトルがつけられているのがまた哀愁を誘う。見るからにオワコン臭が漂っているが、別に閉鎖されている訳でもなく商店の看板もそのまま残っている。

さいたま市 岩槻

一階の中央通路とは別に二階に上がる階段があり、こちらは当初から飲食店中心のフロアになっていた模様。まあとりあえず一階から順番に見て行きましょうかね。

さいたま市 岩槻

で、この岩槻名店街の何が問題かというのは、一階中央通路の入口にこれ見よがしに設置されている建物の管理会社の名義による「お知らせ」の看板を見れば一目瞭然である。「当 名店街は建物老朽化のため地震等発生の際倒壊の危険性が想定されますので、この際『通行禁止』と致します」云々。管理会社としてはこの建物を取り壊したい意向のようで、このような看板を置いているようなのだが…

さいたま市 岩槻

しかしそのすぐ隣にはこのような看板もある。「隣の看板は管理会社が名店街のテナントを追い出す為に、営業妨害の目的で設置した違法看板ですので現在撤去を要求しているところです。」営業妨害の目的ですか…ええ…なんかややこしい事になっとりますな…

さいたま市 岩槻

建物の解体を巡って管理会社と入居店舗が係争中という事はよく分かった。ここは岩槻区だが、この商店街はいわくつきである。というダジャレはさておき、それでは入ってみましょう。

さいたま市 岩槻

入口右側に旅行会社の店舗がそのまんま残っているのだが、その店構えといい荒れっぷりといい、閉鎖されてから最低10年以上は経過しているように思える。

さいたま市 岩槻

JALの沖縄キャンペーンの広告ポスターが店のガラス窓にベタッと貼り付けられているのだが「2001」と書かれている通り、13年前のものである事が分かる。

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また別のポスターを見ると随分と若々しい昔の藤原紀香さんがおられます。十年一昔とはよく言うものだが、同じ21世紀に作られたポスターなのだなと思うと時間の経過の早さを実感させられる。紀香さんも現在43歳です。

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ガラス張りの旅行会社の店舗が目立つが、その他の店舗は殆どがシャッターを下ろしたままで、死んだように眠り続けている。相変わらずポスターが古い。どうも15年位前に相次いで店舗が撤退してからこの状態が続いている模様。

さいたま市 岩槻

岩槻名店街にあったゲームセンター「プレイハウスバンビ」は2009年まで営業していたとの情報がある。老夫婦が切り盛りしていた店だったそうだ。現在は東北道岩槻IC前に豪華絢爛な店構えのウェアハウス岩槻店が出来て、中心市街地からは子供やヤンキーの溜まり場も消えた。

さいたま市 岩槻

かつての不良の溜まり場の痕跡を残すかのような「全国青少年健全育成会」のステッカーもまた時代を感じさせてくれる。

さいたま市 岩槻

半ば廃墟同然のような佇まい故に無許可でこのような張り紙が勝手にベタベタ貼られるのだろうが、ろくな広告がないな…

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