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【埼京線で一番イケてる駅?】文教都市面するタワマン新住民が集う街「武蔵浦和」を見物する

首都圏に数ある、超高層タワーマンションが乱立する浮かれ気味な街と言えば東京湾岸エリアの豊洲や勝どきや品川、はたまた神奈川県には武蔵小杉やみなとみらいといった街が挙げられる。そういう“キラキラ志向”は東京と神奈川だけの専売特許かと思っていたら、実は案外そうでもなかった。常々「ダサイタマ」とバカにされる埼玉県にもそんなタワマンだらけの浮かれ気味の街があるというのだ…

それが新宿から片道25分前後で行ける、埼京線の通勤快速停車駅「武蔵浦和」である。昭和60(1985)年の埼京線開通時に開業し、それ以来埼京線と武蔵野線の利用者にとっての乗換駅として多くの乗客が行き交う駅となっている。埼京線の大宮-赤羽間で唯一「通勤快速」が停まるのがアドバンテージとなっているせいか、近年タワマン開発が進んでいる。

埼玉唯一のブランドタウン「文教都市・浦和」の威を借りる街

同じ埼玉とは言えども県庁所在地の「浦和」と聞くと、「文教都市・浦和」などと自称されるほど県内屈指の教育熱が高い地域で、特に常盤・仲町・岸町小学校といった浦和駅徒歩圏のエリアにある小学校には平均年収の高いエリート世帯の子供が通い、県立浦和高校(浦高)など高偏差値の進学校も複数ある。しかしこの武蔵浦和がある埼京線沿線はそうした浦和の中心部からは若干外れている。

しかし対外的には「浦和」という地名が付くだけでもブランドとしての価値があるようで、武蔵浦和駅周辺にはそうした上昇志向の強い埼玉県民が住むような新興タワーマンションが続々建てられ、随分強気な価格で売りに出されている。駅前のタワマンは10年落ちの中古でも5000万円台が大勢を占める。

しかし駅が開業した昭和60(1985)年当時というのは殆ど駅前は何もない原っぱで、田んぼとロッテの工場と沼影市民プールくらいしかない街外れでしかなかった。それが1998年の「ラムザタワー」完成以後続々とタワマン開発が進み、今となってはすこぶる近代的で「もうダサイタマとは言わせない」と凄まれるような、たいそうな駅前風景になっている。

駅直結のペデストリアンデッキから眺める光景は、それこそ武蔵小杉駅東口の再開発された一帯とそれほど遜色のない、上京したての田舎者には「おったまげー」と叫んでしまいそうなくらいの迫力を持つ。文教都市・浦和のブランドとタワマンでの優雅な生活、という二つの優越感を持てるのが武蔵浦和民の自慢か。でも、ここって全然“街外れ”だったところですから、あまり自惚れ過ぎるのも考えものですよ。

戸田だの与野本町だの、途中駅が何も無さ過ぎて文化の欠片も感じさせない埼京線沿線にありながら、武蔵浦和駅周辺にはこんなオサレ感漂う飲食店街とかもあって、通勤快速停車駅という優位性も相まってアッパー感強いですが、こういう場所はまだまだごく一部。まだまだ発展途上である感じも否めない。

地上高100m級タワマンが7棟もある「武蔵浦和」の衝撃

とりわけ近年熱いのがラムザタワーのすぐ南側で建設が進められ2016年に竣工した2棟のタワーマンション「武蔵浦和SKY&GARDEN」がある付近。先に完成した商業施設「ナリア」のすぐ向かいにあり、この付近が武蔵浦和における新興タワマン街の中心地域として成立しつつある。ところで「ナリア」というのは「成り上がり」から来てる名称でしょうかw

赤提灯の居酒屋と下衆なパチンコ屋が立ち並ぶ野暮ったい駅前風景が埼玉デフォルトなはずですが、この駅前に関しては例外中の例外もいいところで、この通りのシャレオツ一辺倒。「武蔵浦和SKY&GARDEN」の完成で、武蔵浦和駅周辺の超高層タワマンは計7棟に増えた。

東京・神奈川といったブランド優先型都市の人口過密&地価高騰ぶりに見切りをつけ「名を捨てて実を取る」と言わんばかりに割安ながら通勤時間も妥協点にある埼玉を選ぶ人々にとって、武蔵浦和駅前のタワマンはまだまだ需要が伸びそうではある。埼京線沿線に住む限り「10両編成で死ぬほど混む&乗り場がクソ遠い&終電が早い&痴漢が多い」という四重苦が待ち受けている訳だが、自家用車さえあれば都内へのアクセスが楽な点はもっと評価されてもいいはずだ。

しかし武蔵浦和は周辺地域と比べると「浦和」の地名が付くだけで、浦和の中心でもないのに不当に地価が高い。例えば隣の「北戸田」なんかは準工業地域を選ぶとアホ程家賃相場が安いのに、各停しか止まらないのが嫌だからという理由で依然不人気のままである。

それでもタワマンの足元を見れば隠しきれないダサイタマ的な野暮ったさ

埼京線沿線で一番イケてるかも知れない、タワマンだらけのイマドキな風景を見せる武蔵浦和だが、駅周辺の商業施設は武蔵小杉のようにトントン拍子で出来る感じではない。そもそも駅前一等地のかなり良い場所なはずの土地がずっと「ケーズデンキの廃墟」のままなのはいただけない。2012年8月に閉店してから5年以上も手付かずのままである。一体どういうことだこれは。

そして最新スポットである「武蔵浦和SKY&GARDEN」1階部分のテナントには、なぜか仙台から首都圏に殴り込みを掛けてきた激安大衆食堂「半田屋」の店舗がデデーンと出店。知る人ぞ知る、激安でバカ盛りのどんぶり飯を中心に大量仕入れの激安食材を使った惣菜の数々を提供する貧乏サラリーマンの味方。

埼玉ローカルのチープな中華チェーン・日高屋もビックリ、日高昆布使用塩ラーメンがたったの200円(しかも税込)というお値段異常ぶり。ちなみに今現在、半田屋の首都圏店舗は埼玉県にあるここ武蔵浦和、それから越谷、川越の3つしかない。こういう店が出来てしまうあたり、非常に「ダサイタマ的」な現実を思い知らされるわけである。

よくよく見れば半田屋や日高屋に限らず武蔵浦和駅周辺で目につく食い物屋はドカチンが好みそうなラーメン屋とかそんなんばっかりで、タワマン住まいの上昇志向の高い方々にとっての選択肢はやはり貧弱極まりない。どうせ貧乏サラリーマン世帯が消去法でやむなく選ぶ埼京線だもの、仕方ないよね。

武蔵浦和の名物珍スポット「中華富士」はどうリアクションすればいい?

あと武蔵浦和と言えば「中華富士」というこの通りの奇天烈な外観を持った、ちょっと頭のネジが外れているのではないかと思ってしまうような珍スポ的食い物屋が隠れた街の名物になっている。

「モヤモヤさまぁ~ず2」で紹介されたのがよっぽど嬉しいのか、その旨わざわざ書き記しているあたりも痛々しい。番組ロゴの再現力が地味に高いのがツボであるが、こちらとしてはスルーするしかない。定休日だし。

すごく残念な感じがする「武蔵浦和 味の散歩路」

武蔵浦和駅前で飯を食うとするなら候補の一つには挙がるだろうと思われる「武蔵浦和 味の散歩路」と称する武蔵野線ガード下の飲食街も、どこか物悲しげな雰囲気を漂わせている。

餃子の王将、なか卯、吉野家、モスバーガーといったどこにでもあるチェーン店と数軒の居酒屋以外はこの通り、空きテナントのまま放置プレイをかまされている箇所も見られる。アチャーな感じのする飲食街である。

しかしその中でも大陸経営者のものと思われるこちらも中国上海料理店「新晨美食坊」だけは妙に威勢の良さを見せていた。「永利」がなぜか三店舗もある豊洲と同じように、ゆくゆくは武蔵浦和も中華タウン化の兆しか?

…というわけで、まだまだ発展途上感が否めないタワマンだらけタウン「武蔵浦和」。地元の不動産屋まで頭のネジが外れたような看板を掲げて営業しております。武蔵浦和大好き!だそうで、それは何よりでございます。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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