【通称ナンギン】埼玉県ナンバーワンの盛り場はプチ歌舞伎町状態!大宮駅東口「南銀座」を歩く(2009年)

さいたま市

久方ぶりに埼玉県の中心地・大宮駅前に足を運んできた。大宮と言えば今ではベッドタウン都市の一つという認識が大きいが、昔は埼玉県北部と北関東近県の田舎町を束ねる中心街で、数多くの鉄道路線が集中する大宮駅周辺は大規模な商圏を有していた。それが今では「埼玉の植民地」池袋にすっかりお株を奪われた形で、その事で逆に大宮駅前は古い繁華街の風景がそれほど変わらずに残っている訳だ。

大宮駅東口のロータリーにやってくると、昔なら池袋とかでも見られたかも知れない昭和の繁華街の風情が全身に感じられる。垢抜けないネオンサイン、戦後のドサクサが未だに残るような駅前商店街。非常に見所の多い街である。

大宮駅東口を出た正面から右側に視線を移すと、大宮最大の歓楽街「南銀座」、通称・ナンギンの入口が見える。夜ともなると居酒屋の客引きに混じって埼玉らしさ全開のヤンキーどもが闊歩するDQNの楽園。今回はこの南銀座一帯を散策することにしよう。

駅から南銀座に向かう途中にも「いづみや」という大宮一の老舗安飲み居酒屋兼大衆食堂が二店舗並べて酒飲みどもを集める誘蛾灯と化している。戦後日本の繁華街を地で行く大宮駅東口には欠かせない存在だ。

この大宮南銀座は古くから大宮の歓楽街として栄えてきた商店街だが、現在はチェーン系の居酒屋やパチンコ屋、カラオケ屋、それにキャバクラなどがひしめく、所謂「若者の溜まり場」のような姿になっている。雰囲気は池袋東口のそれと近い。

駅前ロータリーからまっすぐ南側に伸びるメインストリートを中心に人の往来が激しく、東側の脇道に入ると櫛の歯のように広がる路地裏に胡散臭いバーや風俗店、ラブホテルなどが隠れている。昼間は大した事はないが、夜になるとヤンキーやチンピラがふらふら歩いていて殺伐とした空気が漂う。

ギラギラとした表通りから一歩中に入ると途端に胡散臭くなる南銀座一帯の歓楽街。小さな飲食店、パブなどが密集しているが、やたら中華系の店が目立つのが特徴。

別の路地に入ると、車も通れない細い道に中華料理屋などが軒を連ねている。路地の奥の「来来軒」は東京のあちこちで見かける「日高屋」の別業種店で、大宮に本拠を置く運営会社「ハイデイ日高屋」は埼玉ではぎょうざの満洲と県内東西でしのぎを削りあう中華チェーン店。ほぼ例外なく店員が中国人か韓国人だったりして笑える。

路地の両側が鉄のポールで塞がれているのは駐輪させない為に置いているものにせよ、傍から見ると異様である。

大宮南銀座名物のキャバクラビルはおしなべて田舎DQN仕様。地方の歓楽街に行くと見られるような大衆向けキャバクラやホストクラブなどが、南銀座界隈には大量に転がっている。池袋が埼玉的文化の集大成なら、大宮は北関東の田舎的文化の集大成なのである。

ショムニとか懐かしすぎるんですが(笑)キャバクラも用途に応じてジャンルも多彩。5000円以内で済む大衆的な価格設定もおおよそ田舎DQN仕様。

キャバクラビルの勢いに負けていないのが、やっぱり娯楽の王様パチンコニダ。この辺のパチンコ屋は貸玉1円を大々的にアピールするのがデフォルトなのか。不況で打てる玉数も限られている昨今の貧民懐事情を示しているかのようだ。

完全に歓楽街化してしまっている南銀座の中にも、古くから営業を続けている酒屋の建物が残っているなど、昔の痕跡が僅かに見られる一面もある。看板の文字が殆ど取れてしまってまともに読めない「越後屋酒店」の店頭。

埼玉の街の酒屋でも、清酒と言えば「灘西宮」なのか。これは意外だった。

駅から離れるにつれ、ギラギラとしたパチンコ屋やキャバクラだらけの光景から、怪しい外国人系パブが目立ち始める。中国パブ、フィリピンパブ、大宮の街はホントに多国籍アルネ。

外国人パブに混じって花びら回転系ピンサロの店舗も現れ始めた。これから先、ただの田舎DQN仕様な歓楽街では終わらないカオスな光景が広がる。大宮南銀座の実力はこんなものでは済まない。

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