渋谷地名発祥の地である「金王八幡宮」を訪れた。渋谷駅東口から六本木通りと明治通りに囲まれた路地を進んだ先、ビルの谷間にひっそりと残っている。
金王八幡宮は繁華街から外れた所にあるので普段は人通りも少ないし目立たない存在だが、毎年9月に行われる例大祭は900年以上の歴史を誇る、渋谷を代表する祭りとしても有名である。
かつて渋谷城だったという神社の境内はそれほど広くはない。すぐ北側が六本木通りで、周囲はオフィスビルに取り囲まれて見下ろされる形になっている。
春日局によって造営されたという社殿は江戸時代初期の姿のまま使われ続けているので「築400年」との事。地味に凄い。もちろん渋谷区指定有形文化財である。外観や柱は定期的に補修されているようで見た目程の古さは感じない。
傍らにある神楽殿もかなり年季が入っている。息が詰まりそうになる谷底の街の一角にこんな空間があるのはある意味貴重。
境内末社の玉造稲荷神社。ちなみに神社の外側にも豊栄稲荷神社というのがあるが、元々は渋谷川沿いにあったものが戦後に区画整理があった遷座されたものという。
金王八幡宮がいかに由緒ある神社かという事かが分かったが、気になってしょうがないのが社殿に隣接する絵馬掛け場。やはり渋谷という土地柄なのか知らんが、かなり偏屈ぶった願い事が書かれた絵馬が目立つ。
渋谷道頓堀劇場の某ダンサーの復帰を願う絵馬があったりしてのっけから濃ゆいんですが、劇場自体が先日警察にパクられて長期営業停止処分を食らったばかりである。
学校教師らしいお方の願い事なのかよく分からない絵馬。学力向上祈願の一環であろうか。
東北震災復興祈願なのだが、このへんになってくると若干電波がゆんゆん入ってきてくすぐったい感じなのですが如何でしょうか。
しかしコイツは頂けない。ストーカー男か何かでしょうか。警察の皆様やAKB48様が神様と同列にされてます。こんな願い事されても神様も心中穏やかではないぞ。
そんな訳で普段はあまり見向きもされない場所にある渋谷の街の総鎮守、ベタでトレンディな繁華街もいいけどこういう渋谷も悪くはなかろう。ちなみに境内入口は猫の集会場になっていた。奴らにとってもこの神社は居心地が良いらしい。
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