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春日部にある“巨大地下神殿”が凄まじい!「首都圏外郭放水路」見学記

春日部市郊外、旧庄和町の江戸川沿いの地下に「首都圏外郭放水路」の一部が見学できる施設がある。江戸川水系の河川氾濫を防ぐために地下50メートルに巨大な水路を作り上げているのだが、放水路の最終地点「調圧水槽」の姿がまるで地下神殿のようだ、と至る所で話題になっている。

そんな外郭放水路の調圧水槽がどうしても見たい!と思っていたものの、普段は予約制で平日にしか来れない(さらに湛水時には見学不可)と言う事もあってなかなか行けずに居たのだが、11月中旬の日曜日に予約不要で見学ができる一般公開イベントがあるということを聞きつけた。

東京から東武伊勢崎線と野田線を乗り継いで遠路はるばる埼玉の端っこ、南桜井駅まで来たのである。

一般公開イベントの日は南桜井駅から送迎バスが出ていたので楽に来る事が出来た。これが平常時なら駅から40分掛けて歩くか車でしか来られない。

埼玉と千葉の県境となっている江戸川のそばに調圧水槽を見学できるエリアと、首都圏外郭放水路について学べる「龍Q館」が併設されている。

龍Q館の中は「彩龍の川まつり」なるイベントが行われている日ということもあってやたら人が多かったので、ゆっくり見て回らずに出てきた。調圧水槽を中心に施設各所はドラマのロケに使われる事も多いらしく、タレントのサインがやたら飾られていた。

付近には巨大なシールドマシンが時計となって余生を過ごしていた。これだけでかい機械が地底をガリガリ掘り進めて地下空間を作り上げていたのだ。このシールドマシンは地下鉄や下水道工事などで使われるものと同じ。

イベント開催日だけに、付近の芝生広場が束の間の村のお祭り広場状態になっていて屋台料理が振舞われている。だけど天気は生憎の雨模様。ステージイベントでスタンバイ中の踊り子も涙目。

小腹が減ったので屋台料理の所を見に行くとことごとく「B級グルメ」の文字が踊っていてワロタ。B級グルメって自称するもんじゃないだろと。埼玉県各所では近年ゆるキャラやB級グルメを使った街おこしに熱心である。ようやく埼玉らしい立ち位置が分かってきたようだな(笑)

もちろん埼玉B級グルメの主役、行田のゼリーフライも絶賛発売中だ。しかし本当にゼリーを揚げている訳ではない。おからの素揚げみたいなもので小判の形に似てるから「銭フライ」と言われたものが訛ったのだ。

ゼリーフライで適度に腹を満たした後は、いよいよ調圧水槽への見学通路に向かう事に。

地上の開口部から螺旋状に下る階段に吸い込まれるように入っていく。ビル5階分くらいの高低差はあるだろうか、しかしそんなに深くはなく、ものの1~2分で調圧水槽が広がるフロアに辿り着く。

階段を降りた先は一気に視界が広がる。辺り一面が泥臭いのは、やはりここが大雨の時に流れた川の水を貯めておく場所だからなのだ。

ここが「地下神殿のようだ」と評される調圧水槽の内部。高さが25メートル、長さが177メートル、幅が78メートルあり、サッカーコート1.5面分の広さと考えると分かりやすい。そこに59本の巨大コンクリート柱が並んでいて、独特の空間を作り出している。

1992年に着工し2006年に完成、2002年から部分的に稼働を開始しており現在に至る。

よく雑誌などで紹介されている正面から見たアングル。確かにこの角度から見ると地下神殿のようだと息巻くにも無理はあるまい。

地上の「龍Q館」にもタレントのサインや記念写真がやたらあったが、仮面ライダーやウルトラマンあたりの特撮ヒーローものを始め、ランドローバー(外車)のCM撮影に至るまで、やたらロケに使われまくっている。

パンフレット等で見る正面からの写真では分からなかったが、コンクリート柱は丸ではなく極端な楕円形になっていたのだ。

つまり横面から見ると、また違った感じになるのだ。ちなみに調圧水槽の両サイドは2メートル程高くなっていて、その上には大量の泥が堆積している。

一般公開イベントという事で、水槽内では音楽会が開かれている。さすがにこれだけ巨大なコンクリート空間では音がよく響く。

集まっている人だかりと比較すると調圧水槽の内部がどれだけ広いか実感できよう。

調圧水槽の端まで行くと、これまた巨大な「第一立坑」が地下60メートルの空間まで続いている。この先は立ち入り禁止なので、穴の底を拝むようなこともできない。残念無念。

この階段のサイズを見れば立坑の巨大さを実感できる。なにせこの手の地下放水路では日本の首都圏外郭放水路は世界最大級のものであると言われているのだ。土建大国ニッポンだからこそ出来る貴重な土木遺産。

見学会では立ち入り禁止の箇所も多く他に見られるものもあまりないので、とっとと地上に上がる事にした。

調圧水槽などがある施設からすぐ脇に出ると、そこは江戸川の巨大な堤防が広がっている。

この付近は広大な関東平野の中にあり、海抜の低い土地が皿のように広がっている。台風などによる洪水では周辺河川が何度も浸水被害に遭っていて、このような巨大な放水路を作る必要があったという。

実際に首都圏外郭放水路が出来てからは周辺地域の洪水被害が減ったそうだ。

外郭放水路に流れた水はポンプで汲み上げられこの場所から江戸川に放流される。

我々が見学出来るのは春日部郊外の調圧水槽と第一立坑のみであるが、外郭放水路の全容は国道16号直下を走るトンネルに繋がる5つの立坑を設け、そこから周辺河川の水を取り込む仕組みとなっているのだ。

しかし、ここまで巨大な放水路がよく出来たものだなあと感心。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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