どうぞ、お好きなSNSで拡散して下さい

隅田川に囲まれた隔離地帯にそびえる超マンモス高層住宅群…「豊島五丁目団地」がヤバい

東京の北の外れの下町エリア「北区」。ここには赤羽や王子や田端といったパンチの効いたガチな下町が勢揃いしているのだが、そのまた外れの鉄道不毛地帯に信じられないくらい巨大な団地が存在している。「豊島五丁目団地」である。

北区 豊島

「北区豊島」ってどこだ…豊島区とは違うのか…と土地勘が無ければ思ってしまうような場所だが、位置的には王子駅の北東側、隅田川を挟んで足立区に隣接する土地。王子駅や赤羽駅から「豊島五丁目団地」行きのバスで来るか、最寄り駅の南北線王子神谷駅から片道20分歩くかしないと来る事ができない。つまりは陸の孤島だ。

北区 豊島

この豊島五丁目団地、都営ではなくUR都市機構の団地、即ち公団住宅というやつで、昭和47年~48年(1972~1973)に相次いで12棟が建設された。元々ここには日産化学工業王子工場があったが、公害問題などもあって千葉県袖ヶ浦市に移転、その跡地にこの団地がある。

北区 豊島

で、どんな団地なんだろうとバス停を降りたところ、14階建ての高層団地がズドーンとそびえているのが見える。想像以上にでかい。これだけ駅から離れた交通不毛地帯にこれほどのマンモス団地があるとは思わなかった。

北区 豊島

全12棟のうち11棟が14階建ての大規模団地で、その総戸数はなんと4959戸である。少子高齢化の影響を考えても地区人口は1万人程度いると思われる。団地が立ち並ぶ土地の全体的な面積もかなり広い。ここだけでもう一つの独立国家のようだ。

北区 豊島

それだけの大人数を収容する団地だけあって建物側面も相当ぶっとい。11棟ある高層棟のうち6棟が所謂ツインコリダー型で、3棟がV字型。建物も高度経済成長期のイケイケドンドン感が半端ない。

北区 豊島

豊島五丁目団地の中央部、1号棟と6号棟の間がだだっ広い団地の憩いの広場になっていて、我々が来た時には団地住民によるフリーマーケットが開催中。1、5、6号棟の一階部分は商店街になっている。さらにはダイエーグルメシティまで…日常的な買い物は団地の外に出なくとも可能となっているようだ。

北区 豊島

特に6号棟の下は「トーホーショッピングモール(東豊名店街)」という、ちゃんとした商店街になっていて、建物外面だけでなく中にも店が立ち並んでいるようだ。こういうのを見ると入らずにはいられなくなる。

北区 豊島

ショッピングモールの中は普通に街の肉屋や八百屋や食料品店、中華料理屋やら喫茶店やら弁当屋までひと通りびっしり店舗が入っていてなかなかの充実ぶり。多少空き店舗はあるものの、寂れているとまでは行かない。

北区 豊島

何故か谷中銀座商店街とここ豊島五丁目団地の二ヶ所に店舗を持つお弁当の「トーホー」も惣菜弁当多数揃えて営業中。肉体労働者も満足しそうなボリューム満点の弁当がなんと税込み300円からある。

北区 豊島

「弁当税込み300円」と聞いて黙っちゃいられない。昼飯ついでに買ってしまった。白身魚フライとカキフライが3つも付いててこの値段。団地住民も納得のコスパの良さである。まあ、この弁当屋、谷中銀座にもあるんですが…

北区 豊島

商店街の目の前にベンチに座って300円弁当を食らいながら目の前の団地や行き交う人々を眺める。さすがこれだけの規模との団地ともなると人口密度の高さを実感できる。とにかく人が多いし、例の如く老人やヤンキーや外人も多いのだが、もうとにかく「活気がある」のだ。

北区 豊島

5号棟の下にあるのは団地の各種診療所。内科、歯科の他に産婦人科まである。「入院・分娩・手術応需」と書いてるし、うっかり「できちゃった」人にも即時対応できるようですね。

北区 豊島

さらには学童保育所「北区立風の子クラブ」が産婦人科の隣にある。共働き世帯が多い団地住民にとっては、どうしても必要になる施設だ。

北区 豊島

最寄り駅からかなり離れている陸の孤島状態の豊島五丁目団地、住民の自転車保有率は高く、団地の一階部分の共有スペースの多くが駐輪場になっている。関西の団地とは違ってやはり「前カゴカバー」と「さすべえ」の装着率が低いっすね…

北区 豊島

蛇足だが、この団地に来ようと思ったきっかけは当取材班が普段からお気に入りで見ている「VICE」で王子界隈の団地ヒップホップアーティストを紹介していて、この豊島五丁目団地が映っていたからだ。

北区 豊島

貧乏してる人でないと住めないのが団地、そういう側面がどうしてもあるし、だからこそ流れ者が辿り着くし生活環境も荒れがちになる。飛び降り自殺も何度かあるようで、治安もどうだか。ただ都営じゃなくてURなので、まだ割合的にはガチ貧民のパーセンテージは少ないのだろうが。

北区 豊島

団地ができて40年以上、既にここでも高齢化が進んでいて独居老人だらけな一方で、若い世帯も入居しているがその多くが外国人。通りがかりの住民で若い子連れがいたら、かなりの確率で中国語を話していた。URは入居条件が緩い分、外国人がどんどん流入してくる。

北区 豊島

隅田川が大きく湾曲した部分に半島状の敷地を持つ豊島五丁目団地の外に出ると、そこは隅田川の堤防。団地北側にはV字型の9、10、11号棟が立ち並ぶ。これだけ見事なリバーサイド団地もそうそうないし、団地の建物の間隔も保たれているので、上層階からの景色はなかなかのものがある。

北区 豊島

この隅田川の向こうはすぐ隣には足立区新田、宮城、江北といったエリアがあり、特に新田には「ハートアイランド」などという甘ったるい名称の真新しい団地が連なる。同じURの団地だが、こちらは随分シャレオツ気味な雰囲気で、豊島五丁目団地とは対照的だ。


The following two tabs change content below.
東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
トップへ戻る
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.