横浜のチベット・保土ヶ谷区上菅田町「笹山団地」と笹山アーケード商店街が昭和過ぎる件

横浜市保土ヶ谷区

横浜市とは一言で言えどもそこには370万人近い市民が住んでいて、広大な面積を有しているので実に様々な場所がありすぎて、その全容を計り知る事が難しい。埼玉みたいに自治体が細切れなままだったら、蕨と戸田はちょっと…みたいな分類が簡単なのに対して、横浜はそういう弄り方がしづらいですよね。

横浜市 西谷

で、今回やってきたのは広い横浜市の中でも、とりわけ鉄道不毛地帯で一部住民からは「横浜のチベット」とも称されるらしい、保土ヶ谷区上菅田町という地域だ。ここには笹山団地というちょっとオツな団地があって、その団地に寄り添う商店街が鄙びきっていて素晴らしいという話を聞いていた。

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笹山団地は高度経済成長期にあたる昭和38年から43年(1963~68)までの間に整備された団地で、その大部分は神奈川県営住宅、一部は県公社の分譲住宅に分かれている。鉄道駅は最寄りにはなく、住民の多くは横浜駅西口から出ている市バスを利用する。辛うじて、相鉄線西谷駅からであれば徒歩20分掛かるが、歩いて来れない距離ではない。

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全58棟1480戸と、なかなかの大規模である笹山団地だが、その住民の多くは他の団地の例に漏れず高齢者ばかり、そして団地の入口に立つマナー啓発看板には、日本屈指のインターナショナル団地である横浜市泉区の「いちょう団地」を彷彿とさせる6ヶ国語表記が!中国語とベトナム語とスペイン語が分かるが後の2つはカンボジアとかラオスとかあのへんですかね。神奈川県はベトナム戦争時代にインドシナ難民を数多く受け入れてきた事もあって、いちょう団地以外にも外国人が沢山暮らしている団地がある。

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団地の入口の看板は多国籍だけども、実際に外国人住民が多いのかというと別にそういう感じでもない。みんな帰国でもしたのだろうか。特に中国人なんかはベランダに国際放送用の巨大パラボラアンテナを置いている世帯が多いが、別にそんなのもないし。

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これだけの大規模団地が駅から随分離れた場所にあったなんて、横浜市も奥が深いですねぇと感心させられる。おおよそ団地ができて50年近くが経過している事もあって、公園などの共用スペースもかなり古びている。

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かつて児童プールがあったと思しきスペースを発見。敗戦の傷もそのままに日本が一番勢いづいていた高度経済成長期、ここには団地に住んでいた沢山の子供達が遊んでいたのだろうと想像する光景だけど、今見たら遺跡みたいなもんだな。

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市バスの笹山団地中央停留所から銀杏並木の坂道を上がって団地の真ん中に出ると、真っ赤なペンキに彩られたコンクリート建築が。団地のショッピングセンターか何かと思ったが、違った。集会所だった。お爺さんお婆さんがいっぱいいました。

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集会所の建物を中心に周囲360度が円形道路になっており、いかにも団地の中心です!とアピールしている。その傍らにはかつて何らかの商店だったらしい建物も残る。「防災センター」と張り紙が貼ってあるのだが、防災上の観点からあまり良さそうな作りには思えない。左側の頑丈な鉄扉とタイル張りの壁から見て、肉屋か魚屋の冷蔵庫みたいだ。

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そして、元店舗の扉の前にあった郵便ポストには、近所のガキンチョのワンパターンな落書きが書き込まれていて、どこのガキどもも考える事は一緒だなあと。

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集会所に隣接する一画だけが分譲の公社団地となっていて、敷地の周囲が完全にフェンスで遮られて「許可無く敷地内や建物に入れません」と警告看板が掲げられている。なんだか物々しい雰囲気だ。自治会とかの区割りも全部違っていたりして。イスラエルとパレスチナ自治区みたいなもんでしょうか。

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物々しい分譲公社団地とは対照的に、いたってオープンな作りの四階建ての県営団地が立ち並ぶ光景。笹山団地の殆どがこのような中層棟で占められており、大規模な高層棟は一つも存在しない。

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それはいいのだが、猫よけに置いていると思われるペットボトルが団地の入口の前に隙間無くずらりと並べられたこの光景…かなり異様である。しかも、揃いも揃ってアル中御用達の4リットル乙類焼酎ペットボトルで統一されているというのも、見た目にくるものがある。

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4リットルボトルばかりでなく通常のドリンクのペットボトルもちらほら混じっているが、これだけ並べて猫よけにしようとしても果たして効果あるんでしょうかね。

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むしろ逆にこれだけ大量の4リットルボトルが立ち並ぶ姿に団地住民の生活ぶりが想像できて背筋に寒いものを感じてしまうのだが、そんな不摂生者の医療費もすべからく皆様の国民健康保険料で支えられているのです。

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