2008年3月30日、首都圏に新たな公共交通が誕生した。一つは「横浜市営地下鉄グリーンライン(日吉-中山)」だが、もう一つは足立区西部を南北に結ぶ新交通システム「日暮里・舎人ライナー」。
新線開通と聞いたら黙ってはいられない。我々取材班が早速向かったのは、やはり日暮里舎人ライナーの方でした。お上品そうな横浜の新興住宅地よりも、やっぱ東京の下町でしょう。
ディープ東京下町縦断ライナーの小さな旅の始まりは、西日暮里駅。始発駅は隣の日暮里駅だが、今回は東京メトロ千代田線からの乗り換えでやってきたのだ。
日暮里舎人ライナーは均一運賃ではなく、初乗り160円で、距離に応じて最高320円まで上がるので、全線途中下車しながらの利用であれば一日券を買うべきである。そして東京都交通局の路線であるため、「都営まるごときっぷ」(700円)が利用できる。これ一枚で都営地下鉄、都バス、都電荒川線も全部行ける。
3月30日は開業日ともあって、どの駅も記念乗車券を買う人の長い行列が出来ていた。
東京23区は広い。そして足立区も広い。
東武伊勢崎線くらいしかまともな路線がない公共交通不毛地帯足立区を縦断する新交通、これが「日暮里・舎人ライナー」だ!名前も車両もどこかしら地味…
地味な路線ではあるが、駅舎は立派だし、随分お金も掛けているんですね。たった10キロ足らずの路線だが、総工費1270億円との事。
割合は不明だが、道路特定財源が建設費に盛り込まれている。
これが日暮里舎人ライナーの車内。こじんまりとした4両編成の電車はいかにも新交通システムっぽい作り。愛知県で走っている「リニモ」のように宙に浮いている訳でもなく、ゴムタイヤで走る「ニュートラム」方式の目新しくもない新交通システムである。
但し、開業しょっぱなから完全無人自動運転で運行中。このまま終点の「見沼代親水公園駅」までおよそ20分掛けて走るのだ。
やがて隅田川と荒川を跨ぐと見えてくるのは、大都会東京の摩天楼と山の手の副都心とは正反対のひたすら平べったい「足立区」独特の下町の風景。
見沼代親水公園駅に降り立つと、改札前に展示されているのが「舎人遺跡」にまつわるもの。
しかも「足立区最古の村」とまで書かれている(笑)
この付近は古墳が多いそうです。
「舎人」と書いて「とねり」と読む辺りが歴史の香りを漂わせているのだが、もともと舎人というのは皇族や貴族に伝え、警備や雑用に従事していた者という意味がある。きっと歴史的にも結構重要な場所なのかも知れないが、実際は今日までほとんど地元民以外は知らない東京の端の端。
来ました、足立区の最果てまで。舎人四丁目の見沼代親水公園駅の先は高架橋が途切れてなくなっている。なんとなく、延伸しそうな気配がしないでもないが、なぜこんな中途半端な場所が終点なのか、そのヒントが途切れた高架橋の先にある。
そう、この先はもう「埼玉県」なのである。
実は、埼玉高速鉄道(地下鉄南北線直通の第三セクター鉄道)鳩ヶ谷駅まで繋げる計画があったとかなんとか。でも、鳩ヶ谷にお金がないのでポシャったという話。
ちなみに埼玉県方面へは見沼代親水公園駅前から東武バスに乗って草加駅に行ける。
いやぁ、埼玉も濃いんですけどねぇ。。。
また次回のお楽しみということにしておきます。
舎人地区は東京23区とは思えない田舎の住宅街といった趣きで、今のうちに住むなら穴場かも知れない。足立も埼玉もDQN率は高いが。
再び日暮里舎人ライナーに乗り今度は「舎人公園」駅で下車する。
駅前には一面菜の花畑が敷き詰められている。とてもまったりしたいい公園だ。
足立区も捨てたものではない。
そして、舎人線開業記念なのか知らんが、なにやら催し物が…
「舎人公園もりもりフェスティバル」(笑)
なんだかゆるすぎるが大丈夫だろうか?ここは本当に大東京なのですか??
都営バスの展示があったり、東京都水道局がペットボトル入り「東京水」のプレゼンテーションをやっていたり、都の各部署が展示ブースを置いて足立区民にPRしている。ここはなんてゆるい東京なんだ。あんまり面白くなかったので写真はありません。
そして東京都のお約束「2016年東京オリンピック誘致活動」ののぼりがどどーんと。
まだまだ東京ではバブルが続いているようである。
大阪民国とは違って企業の税収ガッポリなので財政力があるのだろうが、新銀行東京の後始末もあるし、決して大阪を笑えない存在だと思うんですがね…
さてさて、次は「東京23区一の貧民街」としての悪しき評判を誇る足立区の真髄とも言える風景をお見せしよう。日暮里舎人ライナーはあなたの知らない「東京」へ案内します。