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ニセ吉祥寺ゾーン「練馬区立野町」を歩く

住みたい街ナンバーワン「吉祥寺」があまりに地価高騰していて住めず、妥協してでも吉祥寺の近くに住みたがる人々が集まるという西武新宿線武蔵関駅周辺。大好きな吉祥寺(笑)からは約3キロ、バスですぐに行けるし、自転車でもさほどの距離でもない。しかし吉祥寺方面に近づくにつれて、練馬区なのになぜか吉祥寺顔をしている場所がある。そこがニセ吉祥寺ゾーン「練馬区立野町」である。

武蔵関駅から南に歩くと青梅街道を跨いだ先に「吉祥寺通り」が伸びている。吉祥寺行きの路線バスもこの道を頻繁に往来している。住所は練馬区立野町及び関町南になるが「限りなく吉祥寺に近い練馬」と言える場所だ。



吉祥寺通りにある不動産屋の物件チラシ。完全に武蔵関駅が最寄りなのに「JR中央線吉祥寺」の文字の方が圧倒的にでかい。下に小さく「西武新宿線武蔵関駅徒歩10分も利用可!」ってそっちの方が近いじゃねえかよ。

練馬区側の吉祥寺通りをそのまま進めば憧れの吉祥寺ですよん。立野町というのは吉祥寺駅と武蔵関駅のちょうど中間あたりにある。

吉祥寺という地名自体が既にブランドになっているので、ここいらの物件は練馬区のくせにやたら吉祥寺をアピールしまくっている。普通は23区内の方が地価が高いものだが、練馬区と吉祥寺のある武蔵野市で比べると後者の方が価値が高いらしい。

その証拠に練馬区であるにも関わらず吉祥寺通り沿いのマンションには思いっきり「吉祥寺」の3文字が付けられている。憧れの吉祥寺に住める!ってここ練馬区なんですけど。

吉祥寺通りが青梅街道に交わる辺りまでかなりの高確率で物件名に「吉祥寺」がついている訳だが、近隣の関町南にある物件では他にも「武蔵野」や「三鷹」のついた物件も見かけられる。「練馬」という地名は田舎臭いイメージが付きまとうから敬遠されるのか?

マンション名ばかりか町医者まで「吉祥寺」の地名を使ってる。立野町という地名はどこにも出てこないのだ。

ちなみに立野町あたりだと憧れの吉祥寺駅へは徒歩で最短でも15分程度、下手すれば徒歩25分あたりの場所でもマンション名に「吉祥寺」とついていたりする。やり過ぎだろそりゃ。

立野町の吉祥寺通りは基本的にマンション、アパートばかりだが、ほんの気持ち程度に商店が並んでいる一角がある。この辺だったら普段の買い物とかも吉祥寺で済ますだろうから、一向に栄えている様子はないが。

残っている店舗もおしなべて古臭い。吉祥寺に近いと言ってもあくまで練馬区だから高望みしてはならないのだ。

昔の商店街の案内看板が残っていた。肉屋や酒屋、スーパーなどなどひと通り揃っていたのね。そして看板には「立野通り商店会」と名前がある。もともとは吉祥寺通りじゃなくて立野通りだったのか。

もはや立野町は「吉祥寺に近い」という一点のみでアイデンティティが喪失したかのようだ。まるで埼玉が「東京に近いから住む」という理由と同じように、現在の立野町は「吉祥寺に近いから住む」という人々が集まっているようだ。

昔から商売を続けているお蕎麦屋さんとかも適度に残ってはいるのだが、薬局が潰れて廃墟化してたり、なんだかお寒い街並み。吉祥寺に食われ続ける結果、立野町では街の経済が回っていないようだ。景気がいいのはマンションの地主くらいかなあ。

ふらふら歩いているうちにどうやら練馬区と武蔵野市の境目にたどり着いたようだ。ここまで来ると確かに最寄りは吉祥寺駅の方が近くなる。

練馬区側と比べて武蔵野市側の方が街並みも開けていて綺麗な住宅が多くなる。これが吉祥寺と練馬の差、超えられない壁か…

上京民やカッペの憧れである吉祥寺の地名。この三文字が付いてるだけで途端に地価が跳ね上がる。住みたい街と思うのは自由だけど、果たして住みやすい街かどうかは感じ方に個人差があるはず。

なお先の東日本大震災によってマリナーゼとか言って浮かれていた新浦安・舞浜が液状化でメタクソになったせいで地盤の強い東京西側の住宅需要が高まっているらしい。なおさら住宅業界も吉祥寺を住みたい街と煽る事だろう。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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