山手線最弱駅決定戦「田端駅」 (1) 不動坂

JR山手線における三大マイナー駅が「鶯谷」「西日暮里」「田端」の3つなんだそうだ。どれも北東方面に偏っている気がしなくもないが、賃貸不動産相場を見ても田端駅界隈が最も安価で、山手線沿いなんてとても高くて住めないと思っていても、田端や駒込あたりならなんとか手が届く物件があるといった印象だ。
そんなに田端って微妙なところなのかと想像してしまうのだが、京浜東北線の電車も止まるし、上野にも池袋にも赤羽(笑)にも近いし、交通便だけ見ればそんなに悪くはなさそうな感じだ。
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というわけで田端駅に降り立った。
田端駅北口がメインゲートになっているのだが、やはりJR東日本はどこの駅構内もアトレじゃのエキュートじゃの小綺麗にスイーツ(笑)向けテナント化したがる傾向は下町なはずの田端でも変わらず。例によって成城石井やスープストックトーキョーが入っている。どこも同じ店ばかりでつまらん。


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上野駅から、ここ田端駅を経て王子駅に至るまで、山の手と下町の境界線である「武蔵野台地」の崖線がくっきり東西を隔てている。そこをJRの線路が平行して走っているのだ。
で、田端駅の西側にもベルリンの壁ではないが東京の二大生活文化圏の壁ともいえる崖が立ちはだかっている。車道を通すために崖が一部切り開かれており、上には橋が架かっている。その向こうはいわゆる山の手エリア。手前は下町エリア、といった感じで。
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こうした東京の特徴的な地形は実際に東京を訪れるまでその存在を全く知らなかった。いつもテレビで見る東京しか知らない地方の人間が、東京が坂の街、階段の街であると聞いても、あまりピンと来ない事の方が多いかも知れない。
で、田端駅にはもう一つ出入り口がある。
南口である。
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田端駅南口と聞いてどんなところかと思ったら、田舎の無人駅のような小屋に自動改札が申し訳程度に付いた、想像を絶する駅舎が目の前にぽつーんと建っているだけだった。
なんというネタ全開っぷりなのだろう。
これぞ山手線最弱駅の称号にふさわしい。
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駅前には石畳が敷かれており風流である。ロータリーとかコンビニとか駅そばとか、そんな気の利いたものは全くありません。武蔵野台地の崖の上に無理矢理改札口を置いてみました的な印象。ちなみに鶯谷駅の南口も同じく崖の上の駅舎なのだが、田端駅南口の方ががけっぷち感が一段と鋭い。
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駅前には何もないと思ったら「斎場反対」と書かれたのぼりや看板がこれでもかと立て掛けられているのを見かける。えらく物々しい。
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田端駅南口からこの不動坂の階段を登るとその先は閑静な住宅街が立ち並ぶのみ。
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階段を登り後ろを振り返ると東北新幹線の高架の向こうに下町ゾーンが開けて見える。
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階段の途中にはこれでもかと「斎場反対」の看板が掛かっている。実はこの向かい側に「田端駅前ホール」と書かれた建物があるのだが、そこが新しくできた斎場の建物だった。
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建物自体完成してしまった後もしつこく残る手書きの反対看板がなんとも香ばしくて素敵。
斎場の字を間違えて「祭場」と書いてしまったのを修正しているところがポイント。横っちょにダメダメと書かれているのも可愛い。
ダメダメと言われると建てたくなるのが人情ってものだ(何が)
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必死の近隣住民による反対運動の跡がうかがえる。字を書く順番を間違えて「田端斎場ダ絶対にメ」になってしまっている。相変わらずプリティな看板である。
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こういう看板を置きたがる地主ほど政党ポスターを貼るのも大好きだったりする。山手線最弱の「田端」は駅前からかなりぶっ飛んでるぜ。

東京都北区
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