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都内唯一現役遊郭建築が残る八王子市田町の「旅館松屋」全焼…その焼け跡を訪ねる

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八王子市 田町

東京都八王子市。都心からかなり離れた街で、なかなか行く用事も思い浮かばない場所だが、この街には東京都下で唯一戦前の遊郭建築が残されている「田町」という地区がある。品川の手前の田町ではない。明治時代の大火を契機に全焼した遊郭自体が移転され再建される事となり、街外れの田んぼを造成して作られた公許の遊郭だ。それが現在の地名にも受け継がれている。目の前に流れるは浅川。川のそばに遊郭というのも、よく見かけるパターンだ。

八王子市 田町

現在の八王子市田町。八王子駅側から浅川に架かる暁橋に至る道すがらにあり、メインの道路より脇から伸びる街路の方が倍くらいの道幅があるという見るからに「これは元遊郭だろ」と突っ込みたくなる路地も、以前訪れた時のままだった。実は2014年1月17日未明、このうちの一軒の妓楼が失火し全焼したとタレコミを受け、その一週間後くらいに現場を訪問したのだ。

八王子市 田町

気の毒に全焼してしまっていたのは、田町遊郭跡の中で最も存在感を放っていた「旅館松屋」の建物だった…建物自体も完全に崩落してしまっていた…ああ無残…

八王子市 田町

夏場は蔦まみれで建物の外観すらわからぬ状況となるが、我々が見た時期は冬の真っ只中。絡みつく蔦の枝が毛細血管のように建物や塀にまとわりついているが、その下地にある土壁や丸窓などの意匠がよく見えていた。しかし中は火事の影響でグッチャグチャである。

八王子市 田町

夥しい瓦礫に埋もれて、玄関先から足を踏み入れる事も叶わない。ああ…どうしてこうなった…

八王子市 田町

火事から一週間しか経って居なかったので焦げ臭い匂いが辺り一面に充満していた。 前回訪問時に見た限りでは旅館は空き家状態になっていたが建物は奥行きがあってかなり広いし、もしかするとこっそり家の持ち主が暮らしていたのかも知れない。

八王子市 田町

敷地内にある樹木も火事の影響で丸裸になってしまっていた。焼け跡は僅かに真っ黒焦げになった建物の梁が残っている程度で火事の猛烈さを伺わせる。

八王子市 田町

これだけ派手に焼け落ちてしまうとどこに何があったのかもはや判別不可能。

八王子市 田町

東京都下に残っていた数少ない遊郭建築もこうなってしまっては使い物にもならないだろう。思いもよらない火災でこの建物も田町遊郭の歴史から姿を消すのである。

八王子市 田町

なお、2010年6月訪問時の「旅館松屋」 の様子はこの通り。完全に周囲の木々と同化して森に還ってしまっているかのようだが、建物はしっかり残っていた。

八王子市 田町

「田町の松屋」と言えば牛丼屋じゃなくてここの事だったのに…貴重な遊郭建築のご冥福をお祈りします。なお、現在は焼け跡が全て撤去されて更地になってしまったそうです…

旅館松屋出火の様子が録画されてYoutubeに公開されているのでリンクしときます。



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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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