首都の玄関口・東京駅の裏の顔「八重洲」のちょっとアレでゴチャっとした繁華街

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今回やってきたのは首都東京の玄関口「東京駅」でございます。上京カッペ民も観光客もサラリーマンも仲良く集まる東京駅八重洲口。皇居のある丸の内側とは対照的に繁華街や地下街があったりしますが…

中央区 八重洲

東京駅八重洲口の真正面から伸びる八重洲通り。一昔前の古いオフィスビルが多く地方銀行の支店なんかがあちこち入っている、雰囲気的に大阪の御堂筋とちょっと被る印象がある場所なんですが…

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そんな所にある外国人のおじさんの顔が彫られたプレートが重要で、このお方が八重洲の地名になった人物、16~17世紀を生きたオランダの航海士「ヤン・ヨーステン」。1600年、彼を載せた商船リーフデ号が日本(豊後国、現在の大分県)に漂着し、そのまま日本に留まり、徳川家康に信任されて江戸に屋敷を与えられて外交顧問として幕府に外交や貿易の知識を進言する役目を与えられて暮らしていたんですね。

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日本では「耶楊子」(やようす)と呼ばれていたヤン・ヨーステンの名前に因んでそれが地名の「八代洲河岸」になり、それが訛って八重洲と呼ばれるようになったそうです。へー、へー、へー。どうでもいいけどこのプレートの顔、怖いぞ。

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ヤン・ヨーステンが生きた徳川幕府の時代から400年が過ぎた今、彼の名前から付けられた八重洲の地はどのようになっているかというと…雑居ビルだらけで、何だか入ってる店もサラ金とかチケット屋とか微妙ですね…立派な首都の玄関口です。

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あまつさえチケット屋が入居している雑居ビルの上にはこんな看板が…「八重洲一丁目地区再開発地域から除外されました」とな。ここもやはり戦後のドサクサ的な経緯があったんでしょうか、東京駅前、丸の内側も八重洲側もずんずん再開発されまくる中でこの地区だけが例外的に雑然としている。

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八重洲一丁目と日本橋三丁目に跨るこの一帯は付近で働くサラリーマン達の飲食街になっているのだが、その多くは小規模な雑居ビルのままで権利関係が複雑で再開発が着手できずにいる。

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そういう事情も相まって東京駅の真ん前とは思えないようなごちゃっとした路地裏が残っていたりする。いつ廃業したのか分からんが、表の玄関扉に板を打ち付けたまま封印されてしまっている古い雀荘がある。土地の有効活用という言葉は、ここには当てはまらない。

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雑居ビルの隙間という隙間に伏魔殿のように残る怪しげな店の看板の数々。よく足立区とか微妙な場所の駐車場なんかにベタっと広告が貼り付けられている「カードでお金」のお店もありますよ。

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こんな怪しいロケーションで「隠れ家」と言われても、はいそうですその通りです、っていうか見たまんまですよね?としか思えない。

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サラリーマンの居ない土日の昼間にこの界隈を訪れるとひと気も少なく、なんとも恐ろしく場末感が漂うのだが、これでも平日のアフター5(死語?)にはスーツを来たおじさん達が往来しまくっている。

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そしてやたらめったら雀荘が多いのが八重洲路地裏ゾーンの特徴なのである。まあ、新橋とか神田の繁華街と変わりませんよね。

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「全自動麻雀」と書かれた看板が昭和臭満載な路地裏の雀荘。四馬露(スマロ)というのは上海の地名ですね。読めないので調べてみたらまた一つムダ知識が増えましたね。

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新橋とか神田と変わらないんだ?と一度思ってしまえば、こんな奇妙なおもちゃ屋さんが八重洲にあっても別におかしくはない訳で、って、東京駅前にもこんな店あるのかよ…マジですか…これは天国のヤン・ヨーステンもびっくりだね。故郷オランダのアムステルダムにはかなわないけどさ。

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すっかり綺麗どころのセレブ繁華街と化したと思えた東京駅周辺で唯一ヨゴレゾーンが残っているとすればこの八重洲以外にない。夜になれば外国人の姉ちゃんがマッサージの客引きをしてるし、新橋あたりと変わらんぞ本当。

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しかしそんな東京駅前とは思えない場末的空間だった八重洲一丁目もじわじわ再開発の波が押し寄せているようで、数年単位でこの街を見比べるといつの間にか解体されているビルもあるし、そのうちこの辺もごっそり消えてなくなり、グラントウキョウなんとかタワーみたいなのに変わっていたりするかもよ。路地裏の豊川稲荷と背後の巨大ビル「丸の内トラストタワー」との対比が凄い。

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そして2020年には東京五輪も控えている訳で、首都の玄関口であるこの八重洲の風景もいつ何時「浄化」されるか分からない。これからこの数年間、この街の行く末がどうなるのか緩く見守り続けたい。


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