かねてから日本における映画産業が“斜陽”と言われて久しくなった感のある中、規格外にやたらと調子づいているのが魔夜峰央原作「翔んで埼玉」の映画版第二弾、副題は“琵琶湖より愛をこめて”…埼玉解放戦線が関西に乗り出し、そこでのキーパーソンが埼玉のように馬鹿にされ弄られがちな“滋賀県”になっているとのことで、2023年11月23日の映画公開日から、とりわけ滋賀県内の映画館(イオンシネマ草津)では狂気の“一日23回上映”のネタ全開ぶりで、興行成績も前作同様すこぶる奮っているようだ。
日本映画が斜陽、オワコンという批判は日本の芸能界の力関係だとか色々と別の問題に起因しているように思うので、まあその話は横に置いとくとして、やっぱりみんな自分の地元のネタが大好きで、気になってしょうがない、それが“ダ埼玉”だとか“滋賀作”だといったネガティブな表現であろうとも、とにかく地元を弄られたら、その土地に根を張って生きてる人達にとっては“くすぐったくって気持ちイイ”もんなのでしょう。
ただこの翔んで埼玉映画版もこれ以後シリーズ化されて別の地域を舞台に新作を構想する流れに至るかは微妙だ。次は東海地方か九州地方か、そう言われても首都圏と関西圏をやってしまった後は残りのターゲットとなる都市圏の人口も限られるので、三作目は“ない”ものと見ている。
さて、そんな我々も懲りもせずにまたしても埼玉入りだ。今回訪れたのは春日部市の東部に位置する東武野田線(意地でもアーバンパークラインとは言わない)は「南桜井駅」のある旧北葛飾郡庄和町。2005年の“平成の大合併”で春日部市に編入されてからは同市の一部となっている地域だが、旧庄和町時代から続く伝統行事「大凧上げ祭り」や首都圏の洪水被害を食い止めるために建造された“巨大地下神殿”こと「首都圏外郭放水路」などがあることで知られる。
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