当サイトでも度々紹介してきた、埼玉県川口市、JR蕨駅近くにある中国人だらけのマンモス団地「UR川口芝園団地」…日本社会の多国籍化の試金石、亡命クルド人の集住地“ワラビスタン”に加え、市内の公園ではセミを喰らう中国人に向けて「食用を目的としたセミの幼虫等の捕獲はやめて下さい」と注意書きが張り出される、それが川口市の夏の風物詩…
傍らを走るJR線の車窓からも見える超巨大団地の姿は今見ても「圧巻」の一言である。昭和53(1978)年、日本車輌製造東京支店蕨工場の跡地に建てられた旧日本住宅公団の団地だが、元の住民の高齢化に加えて次第に中国人世帯が移り住むようになった。団地がある川口市芝園町の人口約5千人中、既に日本人より中国人の人口が多くなっている。
日本一のチャイナ団地で年に一度行われる「夏祭り」を見に行こう
そんな芝園団地で年に一度「夏祭り」が行われるという話を聞いて、居ても立っても居られなくなった。団地に住まう日本人と中国人がゴッチャゴチャに入り混じる“日本の夏祭り”とはいかなるものか。早速JR蕨駅からトコトコ歩いて団地の入口までやってくるとですね…おお、もう盛り上がってるぞ。
開催時期は毎年8月の第三土・日曜日となっていて、去年2018年は8月18、19日。ちょうど団地誕生から40年の節目を迎える中での「第38回 芝園団地ふるさと祭り」である。太鼓に三味線、よさこいソーランにサンバイベント…そしてメインは19時からの盆踊り…ほほう…中国の雑技団とか、そういうのは無いようです。
団地の商店街「川口芝園ショッピングモール」も既にお祭りムード全開になっていて団地内やご近所から駆けつけてきた子供達の姿でいっぱいになっている。かき氷に枝豆、生ビールといった定番メニューに混じって、唐突に「ファラフェルサンドイッチ」が入るあたりが多国籍タウン川口市らしい。中国語で「味道好! 味道好! 味道好! 」と猛アピール。どこの国だよ…
どう見ても中国人相手にしか思えない認可外保育園「愛嬰幼保学園 川口・蕨園」の軒先には日本人にはまるで馴染みのないキンキラ系の謎の電動遊具「揺揺車」が多数出現。メイド・イン・チャイナ感凄まじいですが200円で日本人のお子様もお乗り頂けるようです。ええ、日本語の案内文なんてどこにも書いてませんから!
ザリガニを“焼きエビ”と称して売るアル!もはやどこの国なのか分からないお祭り屋台コーナー
さらに屋台料理コーナーにはワラビスタン特産料理・ドネルケバブの屋台や、西川口駅前に次いで芝園団地近くに念願の第二号店を進出させた中国甘味スタンド「街角小桟」も出店。タピオカブームが過熱化するずっと前から移民の街・川口市ではポピュラーな飲み物タピオカドリンクやら揚げ物各種が食えます。
向かいのチャイナ飲食街化する一画には羊肉串と東北料理の店「小木屋」の軒先でもガチ中国屋台料理が惜しげもなく陳列されまくっている件。
「米銭」(米線)は米の麺で作られた麺料理、「干锅土豆片」はじゃがいも炒め、「茶蛋」は台湾とかでもよく食われているウーロン茶などで茹でた卵、と中国の事情が理解できる人間にしかわからない仕様。言葉に自信が無ければ日本語が通じる店員を探すべし。まあそれでもお安いっすね。川口価格。
以前は日本人経営の中華料理屋などもあったはずだが、完全に中国人か韓国人経営の店舗しか無くなった。隣の名もなき八百屋もきっと中国人経営。ここでも軒先であれこれ食い物売ってますけども…
そこにはどう見てもザリガニなのに「焼きエビ」と称して一パック200円で売られている驚愕の光景が…なんか中国本土では近年“ザリガニブーム”が起きているらしく、“日本で最もリアルな中国に近い場所”ここ芝園団地にもいち早くトレンドが反映されてしまっているらしい。タピオカの次はザリガニか?!
中国・韓国・アジア食材を専門に扱う団地の外国人御用達食品店「新都アジア物産」も芝園団地では既に古株的存在。そうそう、元々は「キューポラのある街」よろしくこの団地も含め川口市にいる外国人と言えば中国よりも韓国人や在日コリアンの人口が多かった記憶があったんですけれども、すっかり影が薄くなりましたね…
新都アジア物産の店先にある自販機は日本の飲料メーカーに加えて日本人にはさっぱり馴染みのない中国や台湾のメーカーの飲料がフツーに売られている。中国人にとってコカコーラ以上の国民的ドリンク「王老吉」はもちろんの事、台湾メーカーの「泰山八寶粥」(沖縄のあまがしに近い食い物)の缶も売られていた。
それからタバコ屋には中国人客向けにちゃっかり中国ブランドタバコまで売られている始末。団地の中だけで完全に中国本土と同じモノにありつける。さすがは日本一のチャイナ団地・芝園団地だけのことはある。
しかしまあ、そんなタバコ屋の前にも中国語併記で住民へのマナー向上を呼びかける注意書きが貼り付けられてあったり、さすがに“団地の共用スペースで脱糞”という異常な出来事は無くなったようだが、相変わらずこの手の問題は続いているようである。
何やら盆踊りの舞台が盛り上がって参りましたが…
川口芝園ショッピングモールの中央には「盆踊り」のやぐらが組まれていて、そこから四方にびろーんと伸びる紅白提灯がいやがうえにも「ここは日本国領土です」と言わんばかりに和テイスト空間をアピールしている。しかしそこに集まるのも日本人と中国人が半々で、2つの言語が同時に飛び交っている。
地元芝園町の町内会の若手が毎年続けている「芝園太鼓」の演奏が始まると、そこは完全に「日本の夏祭り」以外の何者でもなくなった。中国人が出てきて雑技団の真似をしたり、爆竹を鳴らしてみたり、ましてや中国カラオケ大会が開かれるわけでもない。
…と思ったら、団地の土着オヤジの視線と身体の一部が俄然アツくなりそうなサンバの時間がやってきたりして、急にブラジルテイスト満載になる件。踊っているのはケツのやたらでかい本場ブラジリアンガールではなく、ただの日本人のおばちゃんです。浅草サンバカーニバルならまだしも、川口市の団地でやられても場末感しか漂ってきません。
そして同じく地元のおばちゃん(日本人)グループによる「よさこいソーラン」まで披露される始末。黄色の法被姿なせいか大阪のおばちゃんテイストになっている感もあるが、若々しさ皆無のステージイベントの数々、観客はいまいち盛り上がっているのかどうかよく分からない。
そのうち日が暮れてきて、日・中両国問わずギャラリーの数がわっさわっさと増えてきて芝園団地の人口過密っぷりを実感せずにはいられなくなる。そのうちメインイベントである盆踊りが大々的に行われる。
長年芝園団地に住んでいる旧来からの住民からすると、中国人住民の祭りへの参加はどんどん歓迎するけれども、彼らは普段から町内会には一切参加しないし、祭りのための諸々の準備や運営には一切関ってこない。そういった“温度差”は感じられる。
芝園団地の夏祭りも、ただ高齢化する日本人旧住民がほとんど祭りの音頭を取っている状況が続いているので、そのままのテンションで毎年続けていけるかどうか難しいというのが現実らしい。いずれ夏祭りのスタイルにも変化が求められるだろう。
…で、中国人住民たちは盛り上がる盆踊りのやぐらを尻目に屋台料理に行列を成しているご様子。小木屋の羊肉串のコンロがフル稼働して猛烈に煙上げてますけれども…ええ、これが“爆食の国”中国の本気ですね…
芝園団地ふるさと祭り2019、明日開催ですよ
そんな日中折衷型の超絶カオス空間が堪能できる川口芝園団地の夏祭り、今年2019年は8月17日土曜日に開催、なに、明日だと!さあ中国人好きなそこの貴方、芝園団地に足を運ぶべきだ。(※残念ながら今年の開催は土日連日とならず、明日土曜日だけ。雨天の場合18日日曜日に延期)