東京の外れ、京浜工業地帯貧民文化圏の下町繁華街「蒲田」を歩く

大田区

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東急蒲田駅側に行くと、高架沿いには呑み屋が密集しているエリアもあり、さすがのお上品な東急ブランドもこの街ではさっぱり通用しないことがわかる。かつては目蒲線と呼ばれていて、ここ蒲田から目黒までを走っていた「目黒蒲田電鉄」が東急目蒲線の前身だが、ハイソなエリアと下町エリアに分離したい東急沿線住民の思惑が反映されたのかと邪推したくなるが、地下鉄南北線・都営三田線の相互直通運転が始まった2000年に目蒲線は目黒線と多摩川線に分離されてしまった。

ガード下の案内には「くいだおれ横丁」だなんて書かれていて、もう完全にノリは大阪である。

そんな目蒲線のガードの周辺には小さな居酒屋が並んだ下町臭い一角がある。四つ角に建つ青い看板と「昔懐かし定食や」と書かれた暖簾がシンボルの「壱番隊」はオッサンの街蒲田らしい、どう見ても居酒屋にしか見えない定食屋。

夜ともなれば活気付くのだろうが、来た時間が昼間だったので静けさを保っている。

東急の高架下沿いには沢山のスナックやフィリピンパブが並ぶ。なぜか「バーボンロード」という名前が付いていて笑えた。やあ (´・ω・`)

東京の微妙な下町エリアには必ずと言っていいほど、タイやフィリピンなど東南アジア系コミュニティが形成されているのだが、ここ蒲田も例外ではない。バーボンロードにあるタイ料理レストラン。看板には「24時間営業」と書かれており気合が入っている。

一方でサンライズ商店街にもフィリピンパブが入っている。

なぜタイパブやインドネシアパブはあまり見かけないのに「フィリピンパブ」だけがやたら日本中に浸透しているのか。それにはルビー・モレノの時代からフィリピンでは日本に出てお水の世界で働いて一旗挙げようと夢を抱く女性の存在と、ブローカー組織の存在がある。今なお闇社会の介在も強く日本が人身売買容認国としてアメリカ国防省に名指しされる(2004年)など、悪い意味で有名になっている。

東急の高架を跨いだ南側は手芸・工芸・雑貨のチェーン店である「ユザワヤ」の本拠地であり、あたり一面ユザワヤ密集ゾーンになっている。首都圏だけだと思っていたが、最近では難波や神戸あたりにも進出してきている。

しかしユザワヤ創業の地は蒲田なのである。

ユザワヤ密集地帯の向こうに、東急プラザとその屋上に掛かる小さな観覧車が見える。蒲田は懐かしさをそこかしこに残す繁華街だ。

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