【日本の朝鮮】首都圏のコリアタウンまとめ(2018年改訂版)

コラム・まとめ

三軒茶屋(東京都世田谷区)

築百年超の旧駒沢練兵場時代の木造家屋が「世田谷韓國会館」に

【オールドカマー系/戦後発祥】
コリアン密度:★★★☆☆
街の規模:★★★☆☆
殺伐度:★★☆☆☆

猥雑さとは比較的縁がなさそうな東急沿線でも三軒茶屋だけは訳が違う。駅前の所謂「三角地帯」には区画整理の手が付かない闇市時代から残る細かい路地が広がっていて、居酒屋や商店街、廃墟や銭湯などが乱雑に密集している。さらに首都高を跨いだ南側の商店街にも、大久保辺りにある「オムニ食堂」の支店があるなど、地味にコリアタウンが存在する。その先の都営下馬アパート脇に建つ築百年のオンボロ木造建築は旧駒沢練兵場時代の兵舎として建てられたもので、現在は韓国民団の「東京世田谷韓國会館」に使われている。

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要町三丁目(東京都豊島区)

千川駅前、要町三丁目にあったバタヤ部落も今や跡形もない

【オールドカマー系/戦後発祥】
コリアン密度:★☆☆☆☆
街の規模:
殺伐度:★☆☆☆☆

地下鉄有楽町線千川駅前、豊島区要町三丁目の「ライフ千川駅前店」付近は昭和30~40年代まで、廃品回収業を生業としていた在日コリアンを中心に土地を不法占拠して住んでいた「バタヤ部落」があった場所である。東京五輪や高度経済成長期を経て生活状況が改善するにつれて不法占拠スラムは規模を縮小し消滅するに至る。現在はその時代の物証を示すものは何も残されていないが、麻布十番の在日韓人歴史資料館に千川のバタヤ部落についての詳細や写真などが展示されている。

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十条(東京都北区)

都内屈指の生徒数を誇る「東京朝鮮中高級学校」は十条駅最寄り

【オールドカマー系/戦後発祥】
コリアン密度:★★★☆☆
街の規模:
殺伐度:★★★☆☆

埼京線十条駅が最寄りの北区十条台には「東京朝鮮中高級学校」の校舎がある。一時期は生徒数3000人超のマンモス校にもなっていた事もあって、通勤通学時間帯の埼京線の車内には同校の生徒が多数乗り込み独特の雰囲気を放っていたが、北朝鮮への風当たりの強さから生徒数が年々傾向にあり、現在は600人程度とされている。

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三河島(東京都荒川区)

三河島駅前に残る戦後の残滓「三河島朝鮮マーケット」

【オールドカマー系/戦前発祥】
コリアン密度:★★★★★
街の規模:★★★★★
殺伐度:★★★☆☆

いまや東京のコリアタウンの座は新大久保に明け渡された感が強いが、昔から脈々と続くコリアタウンはやはり荒川区三河島界隈であろう。JR西日暮里駅・日暮里駅・三河島駅・地下鉄三ノ輪駅・京成新三河島駅に囲まれた大規模なエリアである。

その多くは寂れた感じを見せているが、純朴な下町風景にハングル文字が飛び込む独特の光景はここでしか味わえない。三河島駅前に残る「三河島朝鮮マーケット」(三河島コリアンマーケットとも)はとりわけ戦後の佇まいを色濃く残しており、老舗の韓国食材店「丸萬商店」も今なお現役。

戦前から町工場が点在していたこの界隈に済州島出身者を中心に住み着いた歴史的経緯は大阪の生野区などと共通している。東京よりも大阪の方が圧倒的に在日コリアン人口が多いが、関東大震災の影響で在日コリアンコミュニティが関西に流れたのが今の人口分布に繋がっている。「在日」でも三代続けて東京に住めば「チャキチャキの江戸っ子」と言えるのでしょうかね。

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大山(東京都板橋区)

年季を感じさせる東京朝鮮第三初級学校の裏門

【オールドカマー系/戦後発祥】
コリアン密度:★★☆☆☆
街の規模:★☆☆☆☆
殺伐度:★★☆☆☆

東武東上線沿線はどちらかと言えば池袋を起点とする在日中国人の生活文化が旺盛なエリアだが、大山界隈はオールドカマー系のコリアタウンとして地味に存在している。駅前の雑多な居酒屋横丁も見逃せないが、商店街の先、川越街道南側には「東京朝鮮第三初級学校」が現存している他、大谷口上町の日大病院裏手に広がる窪地のスラム街はつい最近まで強烈なインパクトを示していたが、現在は改良住宅などに建て替えられている。

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西新井(東京都足立区)

ザ・プライス西新井店向かい、激渋な佇まいの焼肉「長興屋」

【オールドカマー系/戦前発祥】
コリアン密度:★★★★★
街の規模:★★★★☆
殺伐度:★★★☆☆

東武伊勢崎線西新井駅から日暮里舎人ライナー扇大橋駅までにかけての足立区南西部地域、西新井大師から荒川河川敷方面に広がる下町地帯は戦前から町工場が多く、三河島などと同じように在日コリアンが多く集住していた地域だ。特に足立区関原・興野・本木といった一帯は戦前に荒川放水路の建設に携わった在日朝鮮人が集まった土地で、特に本木一丁目には戦後の一時期、主に在日コリアンの廃品回収業者が集住していた「バタヤ部落」があったとされる。あと、興野一丁目には東京朝鮮第四初中級学校があり、さらにこの地域の医療を支える総合病院として存在する某病院は朝鮮総連関係者が経営している事でも知られる。

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千住桜木(東京都足立区)

千住桜木二丁目に所在する「韓国足立会館」

【オールドカマー系/戦前発祥】
コリアン密度:★★☆☆☆
街の規模:★☆☆☆☆
殺伐度:★★★☆☆

東京屈指の在日コリアン集住地である三河島と西新井の間にある足立区千住桜木。北千住エリアのうちには入っているが、町屋から尾竹橋通り沿いに進んだ先にあり、ちょうど荒川と隅田川の間に挟まれた窮屈な土地にある。ここも隣接する本木、関原、興野、荒川区の町屋などと同じく在日コリアンが多く、民団の「韓国足立会館」の建物がある。

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小岩(東京都江戸川区)

韓国国内で展開するセマウル食堂も日本進出第一号店は小岩の中央通り

【ニューカマー系/戦後発祥】
コリアン密度:★★★☆☆
街の規模:★★★☆☆
殺伐度:★★★★★

JR総武線沿線の都区内東側エリア、錦糸町や亀戸が外国人だらけの街となっているように、その延長線上で小岩もすこぶるニューカマー系韓国人街として発展中。主にその傾向が顕著に現れているのが駅東側に伸びる「地蔵通り」から東側の「小岩中央通り」までの一帯だ。本場韓国から日本に進出した「セマウル食堂」も第一号店は新大久保ではなくここ小岩。韓国スーパーBIG5などもあり、タイ古式マッサージ店の密度と肩を並べるほどに韓国人密度の高さが伺える。

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京王多摩川(東京都調布市)

韓国食材店、キムチ工場、スクラップ工場が立ち並ぶ多摩川中流域のガチコリアタウン

【オールドカマー系/戦前発祥】
コリアン密度:★★★★☆
街の規模:★★★☆☆
殺伐度:★★★☆☆

調布市の京王多摩川駅最寄り、多摩川に架かる「多摩川原橋」の一帯に、戦前の多摩川における砂利採取事業の労働力として集まった在日朝鮮人が戦後も残り、その子孫が住み続けている一帯がある。韓国民団もあれば朝鮮総連もあり、「韓美膳」こと東亜トレーディングのキムチ工場(沈菜館)、韓国食材店、スクラップ工場などが立ち並ぶガチな光景が今も見られる。多摩地域では屈指の規模のコリアタウンと言える場所だが、廃業した韓国居酒屋や焼肉屋も目立っている。ちなみに浅草や東京下町ゾーンでよく飲まれているホッピーの工場もこの近所にある。

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田無(東京都西東京市)

田無駅南口の小さな呑み屋街にあるマニアックな佇まいの韓国酒場「コリアハウス」

【オールドカマー系/戦前発祥】
コリアン密度:★★☆☆☆
街の規模:★★☆☆☆
殺伐度:★★☆☆☆

きゃりーぱみゅぱみゅこと竹村桐子さんの地元、西東京市にある西武新宿線「田無駅」。特に南口にある小さなボロ呑み屋街には「コリアハウス」なるマニアックな韓国料理店なども見られるが、元Jリーガー・李忠成の親族が経営していた焼肉屋もあった(現在は廃業)など、知る人ぞ知るコリアタウンとしての側面もある。また、北朝鮮による拉致被害者第一号に認定されている久米裕さんの拉致を実行した犯人(日本国籍に帰化済)もまた田無に暮らしている。

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鷹の台(東京都小平市)

日本唯一の在日朝鮮人高等教育機関「朝鮮大学校」の学園祭

【オールドカマー系/戦後発祥】
コリアン密度:★★☆☆☆
街の規模:
殺伐度:★☆☆☆☆

小平市鷹の台地域に昭和34(1959)年から校舎を構えている、日本国内における唯一の在日朝鮮人高等教育機関「朝鮮大学校」。言うまでもなく北朝鮮政府の影響下にあり、学長もまた朝鮮民主主義人民共和国・最高人民会議代議員に選出される人物で、今も朝鮮総連幹部をはじめとする人材育成の要となっている。数年に一度行われる「学園祭」では学外の一般人も入場可能で、この時以外は一切立ち入る事ができない。朝鮮大学校の生徒も基本的には全寮制となっていて、校舎に隣り合う寄宿舎で共同生活を行っている。

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立川(東京都立川市)

立川市錦町三丁目にある西東京朝鮮第一初中級学校。運動会開催中でした

【オールドカマー系/戦前発祥】
コリアン密度:★★★☆☆
街の規模:★★☆☆☆
殺伐度:★★☆☆☆

「基地の街」として戦後の一時期には米兵相手のあらゆる裏商売で栄えていた事もあった立川市、ここは同時に多摩エリア屈指のコリアタウンとしての側面もある。とりわけ南口もウインズ立川周辺の呑み屋街には韓国系の店が多くあり、その周囲にはハナ信用組合の支店もあれば「西東京朝鮮第一初中級学校」もある。

「立川」関連記事

中央線屈指のギャンブルタウン「立川」にもあったコリアタウン
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川崎(川崎市川崎区・幸区)

川崎駅前「どぶろく横丁」の壮絶さと言ったら容赦ない

川崎臨海部の鄙びたコリアン商店街「Lロードさくらもと」

セメント通り商栄会入口の「KOREA TOWN」のアーチ看板

不法占拠地帯として名高い「池上町」の街並み

多摩川の砂利採取事業がルーツの不法占拠地帯「戸手四丁目」

【オールドカマー系/戦前発祥】
コリアン密度:★★★★★
街の規模:★★★★★
殺伐度:★★★★★

東京都内を上回る濃密コリアン集住地域として名を馳せている「川崎」。戦前期、京浜工業地帯の労働力として集まった在日コリアンの子孫が暮らしている地域であるが、関東で唯一大阪や尼崎といった阪神工業地帯とタメを張れる地域と言っても過言ではない。川崎駅からバスで行く事になる臨海部の桜本・大島・浜町といった「おおひん地区」を中心に、池上町の不法占拠地帯「群電前」や川崎駅前の「どぶろく横丁」や幸区戸手四丁目の多摩川河川敷沿いの不法占拠地帯など、周辺地域にも広範囲に散らばっている。

おおひん地区には韓国食材店が立ち並ぶ商店街もあれば朝鮮総連の支部やハナ信用組合の支店、さらには焼肉屋が何軒も連なる「セメント通り」といった濃ゆい街並みが各所にあり、到底一日では周りきれるものではない。近年は在日コリアンに対するヘイトスピーチデモの激化から、川崎市によってヘイトスピーチを禁じる条例が制定されるなどしている。

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新丸子(川崎市中原区)

東横線スイーツ菌が川崎労働者ブルーカラー臭に負ける街。韓国料理店多し

NKビルというだけあって「北」がらみかと思いきや入居テナントは民団と朝日新聞

【オールドカマー系/戦前発祥】
コリアン密度:★★★☆☆
街の規模:★★★☆☆
殺伐度:★★★☆☆

すっかり勘違いマダムの居場所となってしまったタワマンだらけの街「武蔵小杉」も、元はと言えば川崎ならではの工業地帯の一部を担っていた地域だった訳で、隣の新丸子駅周辺なんかはまだまだブルーカラー臭のキッツイ食い物屋やなんかが残っている。しかし韓国料理店も結構多いし、民団支部の事務所などもあって結構なコリアタウンぶりを見せているのである。

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